反抗 ページ15
「A、帰りましょう」
にこり、と微笑みながら私に手を差し伸べる稔さん。
しかし、私は手を取ることができなかった。
……その笑みが、偽物であると気付いてしまったから。
私が顔を背けると、膝に置いていた手を大きな手で掴まれた。
「藤巻先生、杏梨さん、ご迷惑をお掛けしました。この埋め合わせは後ほど必ず。A、行きますよ」
「……やだ」
「A」
「……っ離して！」
稔さんの手を振り払い、私は立ち上がって稔さんと距離を取る。
私に反抗されるとは思っていなかったのか、稔さんは驚いた表情で私を見ている。
近付いてくる稔さんに、私が体を縮こませていると、間に誰かが入ってきた。
「Aさん、怖がってるじゃないですか」
間に入ってきたお隣さんに抱き着くと、稔さんは私に向けて伸ばしていた手を下ろす。
「あなたには関係ありません」
「元はと言えば、あなたが悪いんですよ？あなたがAさんに隠し事なんてするから」
「Aに隠し事などしていません」
「嘘つかないで！」
お隣さんの背に隠れて、私は稔さんを睨む。
目に入ったグラスを一気飲みし、アルコールの力を借りて私は話し出す。
「毎日毎日、暗い顔して帰ってきて、何も無いわけないでしょ！」
「ですからそれは、慣れない仕事で疲れているだけで……」
「あの表情は絶対違う！私が何年稔さんと一緒にいたと思ってるの？そうやって毎回誤魔化せば、私のこと騙せると思った？」
「A、信じてください……」
「稔さんの力になりたいのに何も出来ない私の気持ち、考えたことある？ないよね、稔さんは何でも自分で解決するから。……信じるって、何を？私はあなたの嘘を信じて、従っていればそれでいいの？だいたい、何も信じていないのは稔さんの方じゃない！」
感情が溢れ、涙がぽろぽろと零れだす。
お隣さんの服の裾をぎゅっと掴むと、お隣さんは私を抱き締めて背中をさすってくれた。
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ときあと(プロフ) - 雪さん» ご指摘ありがとうございます。少しずつ修正していこうと思います。今後も是非読んでいただけると嬉しいです。 (3月10日 22時) (
レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読みました。 読んでいて思ったのですが。。。 台詞の間(行間隔)あけてはどうでしょうか？ 行間隔が詰まっていると何だか読みにくいので。。。 (3月10日 22時) (レス) @page2 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
ときあと(プロフ) - みつ丸さん» 冷静になって考えたら、自宅に監視カメラ付けてるのって相当ですよね…(汗)応援ありがとうございます！ (3月1日 20時) (レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
みつ丸(プロフ) - ドラマのお陰で、理事長=監視キャラのイメージがありますよね(笑)連載楽しみにしております！ (3月1日 20時) (レス) @page4 id: 8f46f7c20d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ときあと | 作成日時：2024年3月1日 18時
