近づかないで鈴木さん

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綾｢A行くよ！｣

｢本当に行くんですか…？｣

綾｢クヨクヨしない！｣



今日はコラボ撮影の日
コラボ相手は大人気コムドット


絶対コラボの時は家で編集とか
スケジュール調整して過ごすけど

どうやら綾さんは私に社会の人間と
関わりを持って欲しいらしい。


なぜ私がコラボ撮影に行くのを拒むか

理由はただ一つ。



｢綾さんが鈴木やまとさんとイチャイチャしてるの見たくないです！！｣



ビジネスカップル断固拒否

この人に限らず、
綾さんに近づいてくる男が
本当に嫌なのだ。

あ、レズじゃないですよ？
私にとって彼女は女神ですから。


綾さんにその穢れた手で触れるな…

いつもそう思ってコラボ動画を編集する。



それから理由はもうひとつ。



輝いている人間の近くに居たくない。



だとしたら綾さんも輝いている、
きっとみんなそう言うだろう。

でも綾さんはこんな私を暗闇から
引っ張りあげてくれたのだ。


命の恩人と言っても
過言では無い存在。

綾さんは太陽そのもので、私は植物。

この関係性がしっくりくる。



それなのに綾さん離れしてだなんて

植物の私に干からびて生きたえろと
言っているようなものじゃないですか！！


なんて悶々と考えていると
綾さんが私の腕を引っ張ってくれる。



綾｢せっかく可愛い格好してるんだから
綾だけじゃなくて、みんなに見てもらお？｣

｢綾さんだけで十分満たされてます｣

綾｢またそんな事言わない！｣



今日は綾さんが決めてくれた
コーディネート


膝丈くらいのクリーム色の
フレアスカートワンピに、
薄ピンク色のパンプス。


今日のコラボ撮影同行の為に
綾さんが揃えてくれたらしい。

私のために……


｢綾さん好きぃ…｣

綾｢急に何！？｣

｢ごめんなさいつい。でもなんでよりによってコムドットとのコラボ撮影に同行なんですか？｣

綾｢綾が信頼してる先輩方だから、
絶対大丈夫！だからAも信じて。｣



真っ直ぐな瞳で見つめられて、
私は黙って頷いた。




死ぬほど嫌ですが、
私、1歩頑張って踏み出します。

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