頑張りすぎな透ちゃん。- ボイス番外編

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「何か些細なことでもいいんです。
不審な人物とか何か心当たりありませんか？」

「そうね〜ここ結構いろんな人が来るから」


兄貴が監視カメラ映像の確認をしている間
俺は商店街で聞き込みに回っていた。




「やっぱりそうですよね...」


もう結構な聞き込みをしたけど、
これと言った目撃情報は何も出てこない。


「それよりあんた、これ食べない？」


すると聞き込みをしていた店のおばちゃんが
店頭に並んでる果物を袋に入れようとする。


「いや、大丈夫ですよ！業務中なんで......！」


そう言って、その手を止めようとした途端


突然目の前がクラッとして、
そのまま後ろに座り込んでしまった。




「ちょっと、大丈夫？！」

「いってぇ...... すみません、立ちくらみしちゃって」


俺は心配をかけないように
強く打ってしまったおしりを摩りながら
すぐに立ち上がろうとした。


そのとき、




「おい、透」

「えっ、」


いつからいたのか、すぐ横には兄貴が立っていて
手を差し出して立たせてくれた。




「すみません......」

「もういい、お前は車戻ってろ」

「いや、でも、大丈夫なんで......！」

「お前が大丈夫でもこっちが迷惑だ」


そう言われたら何も言い返せなくて、
俺はおばちゃんに協力のお礼を言って車に戻った。




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