運命の人 (ページ3)

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出発の時1 ページ3

47Aっと。
私、猫峰Aは今日からイタリアへ旅立つ。

～数日前～
晴れて東京外大を卒業する1ヶ月前、私は就職先が全く決まっておらず居た。
もともと趣味みたいな感覚でイタリア語を学んでいたため、卒業後のことはあまり考えていなかった。そんな私に教授が「イタリアで日本語の教師をやってみないか」と提案してきたのだ。就職先が一番決まっていなかった私を心配に思ったのだろう。しかし私にとってその提案は神様がくれたようなものだ。
即案内書を受け取り、教授に次のような質問をした。

「それでイタリアのどこで私は日本語を教えるんですか？」

教授は満面の笑みでこう答えた。
「ラティーナだっ」

は？
らてえー...。どこ。。。

というのが私がイタリア行きになったきっかけである。