怒ってないよ 第一話 ページ15
「いや〜お前もとんでもないべっぴんさん捕まえたもんだなぁ!」
「ハハ、私はただの助手ですよ」
「ハハ、僕には勿体無いくらいです」
これだけ息ピッタリなら結婚報告も近いかもな!なんて、笑い声を森に響かせる男は毛利小五郎という探偵。
”眠りの小五郎”で知られる名探偵で、大きなリュックサックを背負い私に並んで落ち葉を踏む、降谷零…もとい安室透の師匠である。
「なあ安室の兄ちゃん!そのリュックの中、もしかしてうな重入ってんのか!」
「もう!入ってるわけないじゃないですか元太君!今日はバーベキューしに来たんですよ?」
「その通り。残念ながらこの中身は、バーベキューの道具と飲み物だけだよ」
よいしょっと重たそうなリュックサックをかけ直して、彼は人当たりの良い笑顔を子供達に向けた。
そう、今日は毛利探偵と娘の蘭さん、そしてコナン君含む少年探偵団の面々とのバーベキュー。男手が欲しいと安室透が誘われて、それに私も助手兼恋人として連れてこられたという訳だ。
色々あって恋人設定になってしまったが、どれだけ経っても慣れないし正直恥ずかしい。ので、ついつい助手です!と否定してしまう。
「哀ちゃんも来れたらよかったのにね。風邪ひいちゃうだなんてかわいそう……」
そうそう、少年探偵団にはまだメンバーがいるらしい。まだ会えていない灰原哀という女の子。
零は度々彼女について知っているような素振りを見せるが、未だ教えてくれたことは無い。
「……んしょ」
それにしても、荷物が重いな。
私が持つ二つのビニール袋には、ぎっしりと食材が詰まっていた。体を鍛えてはいるが、無駄な筋肉はつかないようにしているので、重いものを持つのは苦手だ。
そんな心境を察したのか、零がこちらに手を伸ばす。
「貸してごらん」
「いや、あとちょっとだし大丈…」
「いいから」
半ば強引に袋を一つ奪われた。
トクリと高鳴った心臓を押さえるよう、残った袋を両手で抱くように抱える。
本当、そういうところだ安室透。
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えるみ(プロフ) - chiさん» コメントありがとうございます〜っ!!私も早く引っ付けたいです🥰少しずつ更新していきますのでぜひ読んでくださいね! (2022年7月16日 18時) (レス) id: 5298c64629 (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - 想いあってるのに引っ付かないのもどかしくて切ない(T^T)更新楽しみにしてます♡♡ (2022年7月15日 22時) (レス) @page39 id: fa74c912f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるみ | 作成日時:2022年6月11日 13時