ヒロ 第四話 ページ13
「忘れたいと思うか。オレのこと」
「……そんなこと言わないで」
「なあA。オレや、
「やめて」
声を張ったAは、自分を守るように身を丸めた。
「……悪い」
倉庫内に、居心地の悪い空気と沈黙が訪れる。未だ、降谷から連絡が来る気配はない。
自分達の為に命を張り続けているAに、こんな話をしたのが間違いだった。何か別の明るい話をしよう。そうだ、明日はAの一番好きなビーフシチューに……
「……きっと、忘れようとすると思う」
先に沈黙を破ったのはAだった。
「景が居なくなるのは、辛すぎるから。
景が得意なビーフシチューも、きっと食べれなくなる。
ゼロとヒロって響きが似てるから。思い出しちゃう。
そう言った彼女が今どんな顔をしているのか、自分からは見えなかった。
もしAが死んだら、自分はどうするだろうか。
実の両親よりも長い時間を、共に過ごしているんだ。誰か教えてくれ。自分は二人を、思い出にできるだろうか。
「……昔両親が死んだ時、兄が言ってたんだ。
人は、人に忘れられた時、本当に死んでしまうって」
「…………」
彼女は黙り込んで、何も答えない。
「でもそうだね。君に忘れられないように、オレも長生きしないと」
「……うん、そうして」
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えるみ(プロフ) - chiさん» コメントありがとうございます〜っ!!私も早く引っ付けたいです🥰少しずつ更新していきますのでぜひ読んでくださいね! (2022年7月16日 18時) (レス) id: 5298c64629 (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - 想いあってるのに引っ付かないのもどかしくて切ない(T^T)更新楽しみにしてます♡♡ (2022年7月15日 22時) (レス) @page39 id: fa74c912f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるみ | 作成日時:2022年6月11日 13時