20話 ページ20
｢それでね、影に潜んでたマーサさんが……｣
｢信号銃を撃って、怯んでいる間にゲートを開けて脱出した。だろう？｣
すごい、なんで分かったの？
と、ベットの上で嬉しそうにするA。
それはね、この話を聞いたのが五回目だからだよ。
｢………入っていいか？｣
控えめなノックの後に、控えめな声が聞こえた。
扉が開くと所々に包帯を巻いたナワーブが入ってくる。
｢邪魔して悪いな。これ、エミリー先生から薬。
ったく、せっかく傷一つつけずに帰したのに体冷やして熱出すなんて、笑っちまうよ｣
｢へへ、ごめんなさい。ナワーブさん、怪我は？｣
｢こんなん慣れっこだ。平気だよ｣
彼は薬を置いてそそくさと出ていこうとしたが、またAの話が始まる。
｢イライあのね、私が攻撃を受けそうになった……時、ナワーブさんが、飛び出して、庇ってくれたの。それで………｣
｢あーあー本人の前で話さないでくれ。
じゃあ、お大事にな｣
｢ナワーブ君｣
照れて顔を赤らめ、扉を開いた彼を今度は自分が引き止めた。
｢…………ありがとう｣
色々と伝えたいことはあったが、今はこれだけを。
おう。とだけ返して、今度こそ彼は部屋を出た。
｢それで、私、たくさん走って……｣
時々咳き込みながら話を続ける彼女は、熱のせいで喋っていないと辛いらしい。
｢ハンターの標的がナワーブ君に代わった。だろう？｣
話を聞くだけでも、彼が本当に勇敢な男だと分かる。
Aが彼に惚れてしまうのではないかと心配になったのはここだけの話。
すごい、なんで分かったの？
と、赤い顔で嬉しそうにするA。
それはね、この話を聞いたのが七回目だからだよ。
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えるみ(プロフ) - あねもさん» 閲覧ありがとうございます！花言葉についてはあえて触れなかったのですが、分かってくれる方がいて嬉しいです……！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: 58f336f1ac (このIDを非表示/違反報告)
あねも(プロフ) - とてもおもしろかったです！最後に出てきた紫色のアネモネは、あなたを信じて待つという意味ですか？私自身、紫色のアネモネがとても好きなので嬉しくて思わずコメントしてしまいました！完結、お疲れ様でした！ (2019年9月22日 4時) (レス) id: 8c1c97f69f (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - *まめ丸*さん» 感動してもらえたなんて嬉しいです.......！またいつか新作作った時はよろしくお願いしますね！ありがとうございました！ (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)さん» 完結させられて良かったです！閲覧ありがとうございました！ (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
*まめ丸*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すごくよかったです!感動しました!!えるみさんと出会えてとても幸せでした!!そしてお疲れ様でした!!えるみさんの素敵な作品いつまでも待っています!!えるみさんや作品大好きです!!えるみさんの幸せを願って。また会える日まで!! (2019年8月14日 21時) (レス) id: 7b0adad536 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるみ | 作成日時：2019年7月13日 17時
