【第五人格】婚約者は後を追って

15話 ページ15

｢めがっ……ふっハハハハハ！！｣



静かなダイニングルームに大きな笑い声が響く。

ああやっぱり言い過ぎた。言わなきゃよかった。
顔が熱くなるのを感じる。



｢お前さん相当あの子にゾッコンなんだなぁ！
クールな頭巾占い師かと思っていたが、こんな一面があるなんてよ。

もっと話聞かせてくれよ？｣


｢も、もう終わりです！｣


｢ツレないねぇラブラブさん。このこの！｣



人差し指で体をつんつくと突かれる。

ちょっと、くすぐりは、弱い……からやめてくれ！


｢ほぉれほれ………っ痛！何すんだフクロウ！｣


羽を撒き散らす相棒に、美形の顔に傷がついたらどうすんだ！などと叫ぶカヴィンさんを見ていると、つい笑いが零れる。





｢ちょっと！今何時だと思ってるの？｣


扉をバンと開けて、お怒りのエミリーが現れた。


｢おっと、すまないMs.ダイアー｣


今何時。

一瞬で紳士に戻り、帽子をとって頭を下げたカヴィン。

その奥の時計に目をやった。


A達が出たのは8時丁度。
現在針は8時25分を指している。


｢もう、20分も経っていたのか｣


一人で待っていたらきっととてつもなく長く感じていただろう。

彼が来てくれたおかげで気持ちも随分軽くなった。
彼女を待つ間に、笑うことが出来るだなんて思ってもいなかったから。




｢……大丈夫よクラーク君。
きっともう少ししたら帰ってくる。私もここで待つわ｣


察しのついたエミリーも隣の席に腰をかけた。







｢まあ俺が言いたかったのは、そんなに心配しなくていいってことだ。

なんせあのメンバーなら、ハンターの方が泣いて帰るだろうさ｣

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