伊瀬谷！！！！俺だ！！！！ (ページ31)

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ラジオとイケメン2 ページ31

「声優フィルターかかってるだけだからな。男性アイドルのイケメンなんてそんないないのにみんな揃いも揃ってイケメンって言われてるようなもんだ。本当に顔が整ってる人間に失礼だろ。」

「なんで怒られないんだろうこの人」

「まぁほら、私って伊瀬谷Aだから。」

意味の分からない、けれども妙に説得力のある「だって伊瀬谷Aだから」の言葉に圧され、島田は口を閉じた。

「でもそっか、イケメンなぁ…うーん…」

座り心地の良い座椅子の背もたれに体重を掛けると、伊瀬谷はぐーっと背筋を伸ばした。デスクワークをこなす体にはこれが中々に効く。

「まぁ、取り敢えず梅原裕一郎だよね。」

体を起こしながら見知った声優の名を口に出すと、周りから「あ～」と納得の声が漏れる。一人目は満場一致からのスタートとなった。

「あとは…イケメンじゃなくて顔が整ってるっていうなら蒼井翔太とかけんぬ…KEENさん。ハンサムでいえば津田健次郎さん。
あと何かイケメンって言われてる江口拓也。この間からかったら凄い顔しされた。
まぁ外せないのは森田さんだよね。森田成一さん。からかうと江口以上に凄い顔してくる。
他誰かいるかな。」

「斉藤壮馬さんとか増田俊樹さんとかはよく聞きますね。」

「あーーー…まっすーは…うん、何となく分かる。
あ、宮野！宮野真守！あの人もイケメンというよりかはハンサム系統の顔だけど。
あと名前出したいけどまだ名前出して良いか怪しい人がいるから除外して…
中村もハンサム顔だよね、中村悠一。
波多野さんって確かイケメンって言われてたっけ？
あとアレ、さとたく！佐藤拓也さんも声優のイケメンカテゴライズに入るくない？」

「もう少し低い年齢層出しませんか」

「宮野は若いだろ」

「いやあの…芸歴的な…」

「…じゃあ八代？八代拓。私と近い年齢で私が声優の中で顔が整ってると言える人間は梅原以外だと八代くらなんだけど」

「伊瀬谷さんはなんていうか基準が高いんですよ。
僕らスタッフもそうですけど、ファンの人たちもみんな顔が伊瀬谷Aじゃないんです
必然的に基準も低いというか緩くなるんですよ」

「そういうもんなのか。」

「そういうもんです。」

止まることなく続いた伊瀬谷Aがイケメン声優の名前を挙げていく時間は、島田の諭すような声で幕を閉じた。
そして、この時ラジオで名前を挙げられた声優たちは「伊瀬谷さんに認められた」として、彼らのファンは暫くの間自慢気にしていた。