《俳優と訪問者》 6 ページ34
『組織のバーボンであり、公安警察の降谷零さん。俺たちはそのことを知ってる』
そう言うと、安室さんはさほど驚きもせず僅かに目を伏せただけだった。
「…やっぱりそうなんですね。この世界では、僕のことは知られている」
「まぁ、そういうことだな。だから、別に素のままでいいよ」
涼もそう言ってやると、諦めたように安室さん――、いや、降谷さんは笑った。
「分かった。なんか不思議な感じだが、知られているのに仮面をかぶっても仕方がない」
……か、かっこいい…、と内心ときめいてしまうが、得意のポーカーフェイスで表には出さない。
名探偵コナンは幼いころから愛読していたが、ここ数年で登場した安室透は世間からも絶大な人気だ。
探偵としての能力や甘いルックスもさることながら、料理上手や超越した運転技術。
そして実は組織のバーボンであるという裏の顔や、公安警察としての本来の姿。
そんなミステリアスな面に加え、実は警察学校の同期4人を亡くしているという儚い一面もあったりで――…すっかり俺も、彼のファンになっていたのだ。
そんな人が平面の世界から飛び出して今目の前におり、あまつさえ俺の世話を焼いてくれている。
どういう状況なんだ…。
「大丈夫ですか?黒瀬さん」
『えっ、あ、ああ。平気』
「疲れてるんでしょう?お風呂、沸かしてきますよ」
俺たちが来る前にある程度家の構造は調べたのか、真っすぐに風呂場に向かっていく安室さん。
まだ初対面だからか、敬語はすぐに抜けそうにないらしい。
「A、結構喜んでるだろ。好きだもんな、安室さん」
『うるさい』
ニヤニヤと茶化してくる涼を睨み、安室さんの料理を完食した。
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澪々(プロフ) - 096さん» ありがとうございます!楽しみです! (2022年10月11日 7時) (レス) id: d400c2c0a7 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 澪々さん» コメントとリクエストありがとうございます!本編、番外編ともに読んでいただけて嬉しいです!リクエスト承りました!お時間いただきますが書かせていただきますのでお待ちください! (2022年10月10日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
澪々(プロフ) - 初コメ失礼します。本編も番外編も、何回も読ませていただいてます!リクエスト失礼します。夢主くんが、零くんの恋人兼同僚だったら…みたいなお話読んでみたいです!できたらでいいです。階級同じで。無理言ってしまってすみません。よろしくお願いします! (2022年10月10日 11時) (レス) id: d400c2c0a7 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 瑞希さん» こちらこそ見つけていただきありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです!これからも頑張ります!! (2022年9月1日 16時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
瑞希(プロフ) - 096さんの安室さんは私が想像していた安室さんそのもので、この作品を見つけられて本当に良かったと思っています。これからも頑張ってください! (2022年8月31日 23時) (レス) id: 1e057cbbf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2022年3月13日 21時