IFストーリー《ティフィン編 男主死亡エンド》 2 ページ2
『…零さん、俺、貴方に会えて幸せだったよ』
「…A？」
『まさか、トリップなんてありえない体験するなんて思わなかったけど、その先で…同じ志を持った貴方に出会えて、よかった』
一歩、下がる。
『こんなに愛してもらえて、もう何も…悔いはない。これ以上ない、最高のご褒美だった』
泣かない。
最期は笑顔で…。
『ありがとう。…ばいばい、零さん』
困惑した表情を浮かべる彼の肩を軽く押すと、いとも簡単にその体は傾く。
俺の言葉の意味をまだ飲み込めず、力が抜け切っていた体は、宙へ浮かんだ。
でも大丈夫。
零さんならきっと…すぐに力強く、大地を踏みしめて歩いていける。
俺が愛した人なんだから。
『……愛していたよ』
徐々に小さくなっていく彼を見つめながら、頬を涙が伝うのを感じた。
ようやく事態を飲み込んだらしい零さんがこちらに向かって何かを叫び、手を伸ばしている。
その背景に、大きく膨らむサッカーボールが見えた。
もう大丈夫だと確信し、彼から視線を外す。
ふと見るのは、遠くに見えるビルの屋上。
スコープ越しに、彼と目が合った気がした。
微笑んで、首を横に振る。
“もういいから”、と意味をこめて。
零さんのこと、あとは頼んだよ。
赤井さん、そしてコナンくん――…。
せっかく助けに来てくれたのに、頑固でごめん。
でも、俺がそういう奴だって、知ってるでしょ？
すぐに日常は戻ってくる。
俺がいなかった世界に戻るだけ。
煙と火が立ち込める部屋の中に戻り、ユエルが落とした拳銃を拾い上げる。
すでに息絶えたユエルの体はキラキラとした光に包まれ、消えかけていた。
ああ…、そっか。
こういう風に消えていくのか。
異世界の訪問者は…。
今度は躊躇いなく、セーフティーバーを下げ、自らの心臓に鉛玉を撃ち込んだ。
倒れる体。
まだ辛うじて意識のある頭で思う。
もし――…もしも、生まれ変わりというものがあるのなら…、また――……。
薄れる意識の中、光に包まれる自分の掌を見つめながら――…我侭で幸せな未来を願った。
end
IFストーリー《ティフィン編 男主死亡エンド》その後 1→←IFストーリー《ティフィン編 男主死亡エンド》 1
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096 - EATMEさん» コメントとリクエストありがとうございます！承りました！更新まで少々お待ちください！頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2019年11月23日 15時) (
レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
EATME(プロフ) - リクエストお願いしたいのですが、逆トリップ(？)の回を見て思ったもので、赤井さん、降谷さん、コナンくんが黒瀬さんと涼さんの徹夜続きでテンションがおかしい事になってる職場に来てしまった的なのを見たいなと思ってます。無理のないようにこれからも頑張って下さい (2019年11月23日 13時) (レス) id: 01c293bda8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました！書いていて楽しいお題でした！二人の子供だと、零さんの遺伝子の方が強そうですね（笑） (2019年11月22日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花蛸花さん» こんにちは！コメントとお気遣いありがとうございます！リクエスト承りました！少々お待ちください。これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします！ (2019年11月22日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - わああ！ありがとうございます！ごちそうさまです！二人も可愛いし、哀ちゃんや梓さんも可愛いかったです！ 幼児化黒瀬さんが褐色のファンデーションをしたら、まさに降谷さんと黒瀬さんの子供に\(//∇//)\ (2019年11月22日 7時) (レス) id: 52067018fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年9月21日 16時
