IFストーリー《黒に堕ちる》 2 ページ14
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『……あ?』
目が覚めると、月明かりだけが照らす真っ暗な倉庫街にいた。
自分の胸元に手をやる。
そして自分の掌を確認した。
…血は、出ていない。
…どうして…、俺は確実にあのとき、死んだはずだ。
ユエルに撃たれて――…。
どういうことだ…?
全部夢だった?
いや、それにしては鮮明にあのときの光景も、衝撃も思い出せる。
服装はあの時と同じ。
だが、所持品は何もない。
いや、間違いなく俺は殺されたんだ。
この…日本に…!!
今どういう状況で、ここがどこなのかも分からない。
だけど、それすらも今はどうでもいいと思えるほどに、ふつふつと憤りが芽生えてきた。
俺がどんな思いで…どれだけのものを犠牲にして、国のために尽くしてきたと思っている…!
殺されるために、警察官になったんじゃない…っ!!
政府の重鎮が、あの組織に関わっていることを突き止めてしまったからだ。
その事実を、国は隠蔽しようとした。
それには俺が邪魔だった。
だから俺を殺した。
そんなの間違っている…!!
こんな腐った国、護るに値しない…!
俺が…ぶっ壊してやる…っ!
「おいおい、こんなとこで何してんだ?」
見知らぬ男が下卑た笑みを浮かべて声をかけてきた。
「おー、可愛い顔してんじゃねぇか。ちょっと相手してくれよ」
男は俺に近づくと、地面に押し倒してきた。
こんなやつらばかりだ。
国が腐っているから、こんな腐った人間が生まれるんだ。
俺の服を脱がそうとボタンに手をかけた男の腰に掛かっていたナイフを抜き、その首目掛けて払った。
「がっ…!」
男の血が降り注ぐ。
動脈を切ったから、男はすぐに事切れた。
俺の上にしなだれかかった男の体を蹴飛ばして退かせる。
あまり治安が良い場所とはいえないようだ。
でも、ここを抜けてもどこへ行けばいいのか――…。
「てめぇ、なにモンだ」
場を支配したのは、明らかな殺意だった。
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096 - EATMEさん» コメントとリクエストありがとうございます!承りました!更新まで少々お待ちください!頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2019年11月23日 15時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
EATME(プロフ) - リクエストお願いしたいのですが、逆トリップ(?)の回を見て思ったもので、赤井さん、降谷さん、コナンくんが黒瀬さんと涼さんの徹夜続きでテンションがおかしい事になってる職場に来てしまった的なのを見たいなと思ってます。無理のないようにこれからも頑張って下さい (2019年11月23日 13時) (レス) id: 01c293bda8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました!書いていて楽しいお題でした!二人の子供だと、零さんの遺伝子の方が強そうですね(笑) (2019年11月22日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花蛸花さん» こんにちは!コメントとお気遣いありがとうございます!リクエスト承りました!少々お待ちください。これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年11月22日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - わああ!ありがとうございます!ごちそうさまです!二人も可愛いし、哀ちゃんや梓さんも可愛いかったです! 幼児化黒瀬さんが褐色のファンデーションをしたら、まさに降谷さんと黒瀬さんの子供に\(//∇//)\ (2019年11月22日 7時) (レス) id: 52067018fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年9月21日 16時