過去１２話 ページ21
『真昼を守って。』
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ｷﾞｲｨｨｨ
重苦しい雰囲気が、古びたドアの擦れる音で更に増した部屋。お互いに顔も見えているのか分からないような暗闇で、三つの声はそれぞれが淡々と響いている。
？｢お前達の遊びにはもう付き合ってられない。
...二人とももう理解しているのだろう、自分達がそれぞれ何者なのかを。そしてその役目も。｣
1番初めに声を発した男は、椅子に深く座っている。
？｢...｣
問いかけられたであろう、男の前に立つ二人の少女は、何も話さない。
男はそれに対してなにも気にしないかのように、次の言葉を発した。
？｢お前達はこれから重要な任務につく。
...いいか、ここから味方はいない。自分一人だとその心によく刻んでおけ。｣
？｢はい、お父様。｣
ようやく、可愛らしい一つの声が男の声に応えた。
この暗闇の中でも、まるで猫のように、三人の六つの目はギラギラと光っている。
異端だ。この部屋の中にいるこの三人だけ、まるでこの世に存在していないかのような、重苦しく鋭いオーラで包まれている。
？｢真昼、お前はどうせ自分の実験の書類はもうあらかた見つけて読んだのだろう。
...残りはあの部屋へ行け。全て見つかるはずだ。
それからめぐみ、お前はまだここに残れ。｣
？｢｢はい。｣｣
二人の少女の声が綺麗に重なる。
だが、すぐに真昼と呼ばれた少女は踵を返し、足音を立てずにその部屋を出ていった。
ｷﾞｲｨｨｨ...
長い沈黙の中、時計もないその部屋では、無音の中でまるで生きているのも忘れてしまいそうになる。
？｢めぐみ。｣
？｢はい。｣
？｢めぐみ...お前は、全てを繋ぐ橋になる。
真昼を、柊家を、分家を、百夜教を、吸血鬼を、鬼を...
世界を揺さぶれ。お前だけは誰にも操られるな。｣
無機質なようで強い意志を持ったその声から紡がれた言葉を聞くと、今まで表情一つ変えなかった少女の口元が緩む。
？｢はは...それは一体どっちの言葉ですか？
...天利様。｣
薄く乾いたような笑いの後、冷たい声がその部屋に響いた。
？｢やはり父とは呼ばぬか。
まあいい、それでもお前はもう柊家なのだから。
で、お前が柊家に従うその理由は...望みはなんだ？｣
お互いに、会話をしているようでしていないような、一方通行なやり取りが進む。
そして男は、少女が何か自分に言いたいことがあることをまるで分かっているかのように言った。
少女は一度目を閉じる。
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美桜(プロフ) - 深夜夢で1番好きです(^^)更新しず〜っと待ってます(TT)♡ (2022年8月11日 23時) (
レス) @page23 id: 73811d8464 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー(プロフ) - 見てきた終わりのセラフの夢小説で一番好きな作品です。また主様が書き始めることを楽しみに待っています。 (2022年7月18日 1時) (レス) id: 00ad156d2e (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私、この小説が大好きで何回も読み返しています！！私は、この小説を愛していきます！これからも体に気をつけて頑張って下さい！応援しています！！ (2020年5月14日 20時) (レス) id: 698341d95b (このIDを非表示/違反報告)
Kamiya Kaji725 - この作品大好きです！私のハートズドンされちゃいましたよー笑笑。深夜大好きなんです！！深夜と夢主ちゃんの絡みが……かわいい！更新頑張ってください！応援してます！！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: e7cf133723 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 過眠さん» ありがとうございます(^^)なかなか更新できずすみません！！私はそのままくろべにって読んでます…そのままですみません( .. ) (2018年1月17日 17時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊坂紅 | 作成日時：2017年10月14日 20時
