過去１１話 ページ20
泣いている。
真昼が泣いている。
可愛らしい顔を、らしくないほど涙でぐしゃぐしゃにして。
『ごめんなさい』
『私のせいでごめんなさい』
声は聞こえなくとも、真昼がそう言っているのが分かった。傷だらけのグレンの手に、力がこもる。
グレン｢(真昼は悪くない...。)｣
だんだんと小さくなる真昼の姿を、グレンの瞳は強く捉えていた。
悲しいくらい、後悔が、どうしようもない自分への怒りが込み上げる。
グレン｢(悪いのは...力のない、身分の卑しい...
僕だ。)｣
やっとの思いで伸ばした手の先には、もう真昼の姿は見えない。少女はあっけなくグレンの前から消えてしまった。
ｻﾞｯ
貴｢グレンも...真昼も...いつからこんなに泣き虫になったの？普段は二人とも感情隠すくせに...お互いの事になると、こんなに素直になれるんだね...。｣
いつの間にかグレンのそばに来ためぐみ。その声と瞳はゆらゆら揺れながら、グレンと同じ様に真昼の消えた方向を見つめている。
ｽｯとグレンに手を伸ばすと、グレンの傷が消えていった。
しばらくして完全にグレンの傷が癒えても、グレンはまだ起き上がらない。まるで今にも何かに押し潰されそうな雰囲気で、地面に這っている。
グレン｢ねぇ、めぐみ...。
僕は、どうすれば良かった？
真昼のあんな顔は、見たくなかったのに。
僕の、僕のせいで。僕に力がなくて、僕の身分が卑しいせいで...真昼をあんなにも傷つけた。｣
とまらないグレンの涙を、めぐみはとめようとはしなかった。優しく微笑むと、風になびく髪を気にせず空を見上げ口を開く。
貴｢グレンの不器用な優しさは伝わってるよ。大丈夫。真昼を傷つけたのはグレンじゃない。
グレンも真昼も...自分をそんなに責めないでよ。
悪いのはこの不条理な世界だから。
グレン...真昼が好き？｣
まるで願うかのように、グレンに問いかけためぐみ。真昼の前とは違い、グレンは今度こそ優しい顔をして言った。
グレン｢真昼が...好きだよ。
誰よりも好きだ、おかしくなりそうなくらい。｣
下げていた視線を上げてめぐみを真っ直ぐ見ながら答えたグレンに、めぐみは心底嬉しそうに笑った。
貴｢ふふっやけに素直だね？それを真昼の前でも出せばいいのに〜。
...グレン、今は無理でも。｣
急に真面目な顔になっためぐみを、グレンはただじっと見つめていた。
貴｢私が...真昼とグレンをまた会わせてあげる。
だから、信じて。信じてほしい。
そしてその時が来たら｣
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美桜(プロフ) - 深夜夢で1番好きです(^^)更新しず〜っと待ってます(TT)♡ (2022年8月11日 23時) (
レス) @page23 id: 73811d8464 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー(プロフ) - 見てきた終わりのセラフの夢小説で一番好きな作品です。また主様が書き始めることを楽しみに待っています。 (2022年7月18日 1時) (レス) id: 00ad156d2e (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私、この小説が大好きで何回も読み返しています！！私は、この小説を愛していきます！これからも体に気をつけて頑張って下さい！応援しています！！ (2020年5月14日 20時) (レス) id: 698341d95b (このIDを非表示/違反報告)
Kamiya Kaji725 - この作品大好きです！私のハートズドンされちゃいましたよー笑笑。深夜大好きなんです！！深夜と夢主ちゃんの絡みが……かわいい！更新頑張ってください！応援してます！！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: e7cf133723 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 過眠さん» ありがとうございます(^^)なかなか更新できずすみません！！私はそのままくろべにって読んでます…そのままですみません( .. ) (2018年1月17日 17時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊坂紅 | 作成日時：2017年10月14日 20時
