１０７話 ページ17
三葉｢む。｣
鳴海に見られ、冷や汗を流すのは三葉とシノア。
対して優は、goodサインを笑顔でおくりつけている。鳴海はそんな図々しい優に少し呆れたものの、もう１度柊シノア隊をしっかりと見た。
鳴海｢思ったよりは...いえ。新入りとは思えないくらい、よく動いてくれました。｣
グレンの前で素直な思いを口にした鳴海に、シノアと与一は嬉しさと驚きが混じった表情をする。
一方優は、ドヤ顔が混じった笑顔で鳴海にｽｽｽｽｯと近付いていた。
優｢だろ？だろだろ？｣
鳴海｢君は顔がうるさいよ。｣
優｢あぅ。｣
近付いて来る優の顔をｶﾞｼｯと掴む鳴海。だいぶ心を開き合っているようなその姿を、グレンはただ見つめていた。...心なしか胸がほっとしている。
その時、一つの視線を感じたグレンは振り返った。
グレン｢...あい子。｣
グレンは瞬時に周りを見て状況を判断すると、震えるその女に話しかけた。
グレン｢あい子、犠牲は８人か？｣
あい子｢あ...｣
グレンの真っ直ぐなその問に、あい子は思わず視線を下にそらす。そして悔しそうに口を噛みながら、勢いよく血で汚れた黒髪を下に垂らし頭を下げた。
あい子「す、すみません中佐！！！仲間を失いました！！！」
グレン「...そういう任務だ。仲間を失った責任は俺にある。」
あい子「ですがっ！！」
グレン「黙れ。よく生きて戻った。」
グレンの冷たいようで胸に浸透するその声が、あい子の涙を誘うにはあまりに簡単すぎた。
傷も、仲間を失ったつらさも、共に抱える仲間が生きているから、今は前を見て戦わなければならない。
グレン「これで貴族を三匹殺せた。残り五匹だ。他の部隊は？」
鳴海「(あと二匹は...めぐみ中将ははなから成功すると思われてるのか...。)めぐみ中将も含め、まだ戻ってません。」
グレン「...そうか。
だがほかの部隊が戻る前に次の任務を始める。」
優「ん？次の任務？」
グレンの突然の言葉に、すぐに返したのは優だった。こういう時素直な性格はとても役に立つ。
グレン「さっき報告があった。
名古屋市役所にいる吸血鬼の貴族、クローリー・ユースフォード、チェス・ベル、ホーン・スクルドを襲った部隊が壊滅。２０人が人質に取られたそうだ。」
「「「！！！」」」
誰もがその言葉に驚き声をあげる中、優は目を見開き、ただグレンの言葉を待つことしか出来なかった。そして後悔するのだろう...
囁くように呟かれたグレンの言葉を、誰一人として聞いていなかったことに。
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美桜(プロフ) - 深夜夢で1番好きです(^^)更新しず〜っと待ってます(TT)♡ (2022年8月11日 23時) (
レス) @page23 id: 73811d8464 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー(プロフ) - 見てきた終わりのセラフの夢小説で一番好きな作品です。また主様が書き始めることを楽しみに待っています。 (2022年7月18日 1時) (レス) id: 00ad156d2e (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私、この小説が大好きで何回も読み返しています！！私は、この小説を愛していきます！これからも体に気をつけて頑張って下さい！応援しています！！ (2020年5月14日 20時) (レス) id: 698341d95b (このIDを非表示/違反報告)
Kamiya Kaji725 - この作品大好きです！私のハートズドンされちゃいましたよー笑笑。深夜大好きなんです！！深夜と夢主ちゃんの絡みが……かわいい！更新頑張ってください！応援してます！！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: e7cf133723 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 過眠さん» ありがとうございます(^^)なかなか更新できずすみません！！私はそのままくろべにって読んでます…そのままですみません( .. ) (2018年1月17日 17時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊坂紅 | 作成日時：2017年10月14日 20時
