１０３話 ページ13
五士のバツの悪そうな表情と共に発せられた言葉に、グレンがﾌｯと笑った。
グレン｢あいつは化物だ。
...それに此処に深夜が来てる限り、死んだりしないだろ。｣
典人｢あー...愛は無敵ってやつ？確かにめぐみ様、いつも意地でも深夜様のとこに戻るもんな。
いいねぇ深夜様、あんないい女に惚れられてて。｣
めぐみの強さを思い出して自分を安心させたのか、五士は少しほっとしたような顔で話した。
グレン｢いい女か？あんな何でもできて自分より強い女、よく深夜も手懐けてるな。ま、あいつらほんとお互い好きすぎてキモイけどな。｣
頭をｶﾞｼｶﾞｼと掻きながら話すグレン。２人を思い出しながら話しているのか、その表情はとても柔らかい。
典人｢はは、そんな２人が好きなくせに〜。｣
ﾄﾞﾝｯ
五士がグレンをからかうと、すぐにグレンから蹴りが入る。鳩尾に入った五士はかなり痛そうにうずくまった。
典人｢いや...今のは表情に出過ぎなグレンが悪いって...。｣
そんな五士を呆れた目で見ている女性陣。
そう、深夜が此処にいないという事は、五士の味方がいないという事だ。
グレン｢よし、上に戻るぞ。馬鹿優達がルカル・ウェスカーを始末できてなきゃ援護する。｣
ボロボロの姿は変わらないが、少し余裕のある表情に戻ったグレンがそう告げた時だった。
ﾄﾞｻｯ
｢ぐ...グレン様！！｣
おびただしい血を流しながら一人の青年が駆け寄ってくる。
グレン｢楠木？！何故ここにいる？！｣
力尽きて倒れたような楠木の元へ、グレン達はすぐに走った。
グレン｢楠木...！｣
グレンはすぐに楠木を抱え込むと、その傷の深さを確認する。グレンの額に汗が垂れた。
グレン｢...くそ。だめだ。
楠木、致命傷だ。お前は死ぬ。だから仲間の為に冷静に報告しろ。一体何があった？｣
グレンの無意識に細められた目に、涙を浮かべながら楠木が答える。
楠木｢す...すみません...作戦に...失敗しました.....。名古屋市役所襲撃チーム３０人...壊滅です.....。｣
予想していなかった言葉に、グレンの顔に影ができる。
グレン｢お前は裏切ったか？ここを吸血鬼に教えたか？｣
楠木｢...いえ。吸血鬼はここへは来ません...グレン中佐に.....市役所に来いと...｣
グレン｢なぜ俺が行く？｣
楠木｢１０人殺されて...２０人...人質に.....
す...すみま.....ｶﾞﾊｯｶﾞﾊｯ...！｣
もう喋るのも限界なのだろう、血を吐きながら涙を溜める楠木の目に、グレンは優しく手を重ねた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美桜(プロフ) - 深夜夢で1番好きです(^^)更新しず〜っと待ってます(TT)♡ (2022年8月11日 23時) (
レス) @page23 id: 73811d8464 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー(プロフ) - 見てきた終わりのセラフの夢小説で一番好きな作品です。また主様が書き始めることを楽しみに待っています。 (2022年7月18日 1時) (レス) id: 00ad156d2e (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私、この小説が大好きで何回も読み返しています！！私は、この小説を愛していきます！これからも体に気をつけて頑張って下さい！応援しています！！ (2020年5月14日 20時) (レス) id: 698341d95b (このIDを非表示/違反報告)
Kamiya Kaji725 - この作品大好きです！私のハートズドンされちゃいましたよー笑笑。深夜大好きなんです！！深夜と夢主ちゃんの絡みが……かわいい！更新頑張ってください！応援してます！！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: e7cf133723 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 過眠さん» ありがとうございます(^^)なかなか更新できずすみません！！私はそのままくろべにって読んでます…そのままですみません( .. ) (2018年1月17日 17時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊坂紅 | 作成日時：2017年10月14日 20時
