86話 ページ46
優「ちょ、グレン!!質問質問!!」
突然元気よくはーいと手を上げた優の言葉に、グレンは振り向いた。
グレン「ん?なんだ?」
優「今のどーやったの?五対三なのに負けたんだけど。」
優の質問に、グレンは真っ直ぐな優の瞳を見つめた。
グレン「ガキだからだよ。」
優「そーいう話じゃなくてさ。」
軽くあしらってくるグレンに、優は少し拗ねたように返す。そんな優を、深夜は微笑みながら見ていた。その表情は、嬉しそうだ。
深夜「へぇ〜、こういうところは素直なのね、君。」
優「え?」
優の質問に、一番初めに答えたのは君月だった。否、一緒に考えようとしたから、戦いの整理をしようとしたのだ。
君月「...そこの銀髪男の銃弾が背後からきたせいで、俺と与一はそっちを警戒させられた。」
深夜「ふふ。実は背後からの銃弾、一発しか僕撃ってないんだけどね。なのに可愛いくらいそれ警戒してたよね〜二人とも。」
「「.....。」」
深夜の言葉に、悔しそうに黙る君月と恥ずかしそうにする与一。実際その通りだからだ。二人を庇うように、シノアが握っていた拳を開いた。
シノア「ですが、グレン中佐の目的は結局は一点突破でした。十条大佐と柊少将がサポートにまわり、全ての戦力を防御役の優さんを排除することだけに使っていました。優さんが排除された段階で...」
美十「いえ、それでも犠牲はもっと少なくできたでしょう。今回は指揮官が無能だった。」
ピシャリと言い放った美十の言葉が、シノアを抉る。
美十「対吸血鬼戦において、陣形が崩れたらすぐ後退は基本です。吸血鬼の方が圧倒的に強い。だからこそ私達人間はチームを組んで戦うんです。」
優は美十の話を聞くと、グレンにか細い声で呟いた。
優「なんか...お前ら思ってたよりもずっと頭使ってんのな。」
グレン「使ってないのはお前だけだ。」
呆れたようにそう言うグレン。すると、またうーんと唸り出した優に、今度はグレンがスルーせずに聞いた。
グレン「なんだよ。まだ今の攻防について理解してないのか?」
優「いやぁ〜そうじゃなくて。負けたもんはしょうがないけど、次やった時に勝つにはどういう戦術にしたらよかったのかなって思ってさぁ。」
変わらない真っ直ぐな優の目をまた見つめたグレンは、思わずその手を伸ばす。
ポンッ
優「わっ、何だよ?」
グレン「別に。」
グシャグシャと優の頭を無でるグレン。
その後姿は本当に親子の様だ。
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伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» 度々すみません。お手数ですが、目次のページの一番上と一番下、両方に名前を入れていただくと変換して見れそうです。 (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» ありがとうございます!すみません、直し方を探してみます(T_T)ご指摘ありがとうございます! (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - いつも楽しく読んでます!名前変換しても『めぐみ』になっちゃうんですけど、直せますかね?すみませんっ! (2017年10月12日 18時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 終わりの魔女さん» 夜空の涙、見させていただいてます!そんな方々に応援していただけてとっても嬉しいです!世界崩壊前の話もどこかで混ぜようと思うので、是非これからも宜しくお願いします!! (2017年8月27日 0時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 日和さん» ありがとうございます!!どこかで出会いの話も入れたいなと思っています!日和さんの作品読ませていただいていたので、コメント本当に嬉しいです!! (2017年8月26日 23時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊坂紅 | 作成日時:2017年8月13日 8時