84話 ページ44
キイィンッ
グレンの刀を優が片手で受け止める。
Aが見ていたように、二人はとても楽しそうだ。それを見る者の目には、好奇、はたまた馬鹿にしているのか、真剣に見ている者はそこには一人としていない。まだ。
鳴海「...おい、皆。新入りどもの実力がどれほどのものかジャッジしてやろうよ。」
優「うおぉおおおおおおおお!!!」
ガガガガガガガガガガガガッ
刀を両手に持ち替えたグレンと優は、ありえないほど速い斬り込みを繰り返している。防いでいるのか、仕掛けているのか、周囲の者には最早判断がつかないほど。
グレン「ほぉ、前よりはやるな。」
優「当然!!今回は俺が勝ぁあつ!!」
「お...おい、あいつ。グレン中佐の攻撃受けきってるぞ...。」
「何者だよあの新入り?」
鳴海「...。」
予想外の展開に、さっきまでの好奇の目は一瞬で消えていた。自分よりも年下の少年が、自分の尊敬する上司と互角にやりあっている、新人だというのに。唖然とするもの、冷や汗を流すもの、反応は様々だが、見えているものは同じ。あのやりとりの中で会話ができる二人の強さを、否が応にも目に焼き付けることしかできなかった。
トンッ
斬り合いの最中、グレンの指から放たれた紙が優の額につく。
優「!...うお、なんだこれ。」
シノア「起爆符です!!今解呪します!!」
シノアは優に貼り付けられた起爆符に優より早く気づくと、大きな声で優に伝える。しかし、伝える前にシノアは優の元へ行かなければならなかった。気づいた時には、もう、遅い。
美十「させない。」
ガンッ
シノア「!!なっ...」
シノアが動こうとした時にはもう既に、美十がシノアの武器である四鎌童子を踏んでいた。シノアは、そこから動けない。
グレン「よし。下がらないと頭吹っ飛ばすぞ優。」
余裕な表情をしてそう言うグレンに、優はせめて思い通りになってたまるかとグレンの方へ走る。
優「くっ...ならお前も道連れだ!!」
グレン「おいまじかよ!!
...っていうのは嘘で、それも予想通り。」
スッ
グレンのその言葉を優が理解するよりも早く、グレンが背後に隠していた深夜が優を捕らえた。細長く伸びた、獲物を狩るその目で。
深夜「ちょっといっぱい撃つけど、よけれるかな〜?」
ドンッ
優「くそ!!!」
ガガガガッ
ヒュオッ
優が銃弾をすべて切り落とすのと同時に、その横を風がすり抜けた。
グレン「ほら、もう前衛を抜けた。」
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伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» 度々すみません。お手数ですが、目次のページの一番上と一番下、両方に名前を入れていただくと変換して見れそうです。 (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» ありがとうございます!すみません、直し方を探してみます(T_T)ご指摘ありがとうございます! (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - いつも楽しく読んでます!名前変換しても『めぐみ』になっちゃうんですけど、直せますかね?すみませんっ! (2017年10月12日 18時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 終わりの魔女さん» 夜空の涙、見させていただいてます!そんな方々に応援していただけてとっても嬉しいです!世界崩壊前の話もどこかで混ぜようと思うので、是非これからも宜しくお願いします!! (2017年8月27日 0時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 日和さん» ありがとうございます!!どこかで出会いの話も入れたいなと思っています!日和さんの作品読ませていただいていたので、コメント本当に嬉しいです!! (2017年8月26日 23時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊坂紅 | 作成日時:2017年8月13日 8時