過去４話 ページ36
真昼｢初めまして。柊真昼です。｣
突然聞こえた声に、部下の男は慌てて体の向きを変える。
貴｢(やっぱり本家のが上なのかな...。これは、養子の権力は中途半端だ...。静かに暮らすのはやめて、むしろもっと目立とうか？)｣
そんな事を考えていると、いつの間にか真昼が目の前でﾆｺﾆｺと笑いながら手を差し出している。Aもそれに気が付くと、同じように笑って握手をした。
真昼｢嬉しい、家族に女の子が増えるなんて！ねぇ、Aって呼んでもいい？私の事も真昼って呼んで！！｣
それはまるで、五歳児の無垢な少女だった。いや、本当に五歳なのだが、精神年齢がそれに見合うはずもない事は彼女達の境遇が物語っていたのだ。
真昼は、とても演技が上手い。そして強い。何故真昼が今演技をしたのか瞬時に悟ったAも、同じように五歳児の顔を見せる。
貴｢...うんっ！真昼、よろしくねっ！！｣
そんな二人の姿を嬉しそうに見つめる数十名の大人が、二人の演技は完璧であることを証明していた。
｢A様、貴方のお部屋へお連れします。真昼様はいかがなさいますか？｣
横から優しく問いかけてきた金髪の女に、真昼はﾌﾜﾘと笑って答えた。
真昼｢私まだAといたいわ！ついて行ってもいい？｣
首をｺﾃﾝと曲げて可愛らしく聞く柊真昼に、誰も逆らうはずが無い。そもそも柊家の者が行きたいと言うのだ、ダメな理由も無い。
｢それでは外に車が用意してあります。A様はお着替えを先に召されて下さい。真昼様は先に車へ。｣
また別の男が横から出てくると、Aと真昼をそれぞれの所へ連れていった。
もう、二人の物語は始まっていた。もう、二人の作戦は始まっていた。少しづつ、少しづつ、内側から柊を喰い尽くすような...。気付かないうちに、二人は欲望に忠実になる。
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真昼｢ふふふっ！みーんな、私達の演技に気付かないよ、大人なんて馬鹿ばっかりなのね？｣
新しく渡された、Aの部屋。そこはとても広く、そして何よりキラキラしていた。
その一角にあるフワフワのベッドに真昼はﾎﾞｽﾝｯと座ると、楽しそうに声を上げる。
もちろん、盗聴器や監視カメラが無いことは確認済みだ。それに養子と言えど柊の娘になった者の部屋に、そんなもの付けるのは許されることでは無い。
貴｢真昼、約束通り最短で柊の名字を取ってあげた。貴方の為に。ねぇ、これからどんな面白い事するの？｣
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伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん，ｍさん» 度々すみません。お手数ですが、目次のページの一番上と一番下、両方に名前を入れていただくと変換して見れそうです。 (2017年10月12日 18時) (
レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん，ｍさん» ありがとうございます！すみません、直し方を探してみます(T_T)ご指摘ありがとうございます！ (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,ｍ - いつも楽しく読んでます！名前変換しても『めぐみ』になっちゃうんですけど、直せますかね？すみませんっ！ (2017年10月12日 18時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 終わりの魔女さん» 夜空の涙、見させていただいてます！そんな方々に応援していただけてとっても嬉しいです！世界崩壊前の話もどこかで混ぜようと思うので、是非これからも宜しくお願いします！！ (2017年8月27日 0時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 日和さん» ありがとうございます！！どこかで出会いの話も入れたいなと思っています！日和さんの作品読ませていただいていたので、コメント本当に嬉しいです！！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊坂紅 | 作成日時：2017年8月13日 8時
