77話 ページ28
スッとAは誰かに肩を抱かれ、転ばずに済む。顔を上げれば、深夜が少し心配そうにこちらを覗き込んでいた。
深夜「A、大丈夫?任務続きで疲れてるっていうより...鬼と対話してるように見えたんだけど、何かあった?」
深夜の温もりでようやくAの頭がはっきりし出す。肩を抱いてくれている目の前の深夜の顔をじっと見つめると、途端に泣きたくなった。
当たり前に隣に居てくれて、当たり前に支えてくれる...この人を絶対に、失いたくない。例えそれが夢の時間であったとしても、何をしてでも、必ず。
貴「深夜...ありがとう。もう大丈夫だよ、皆の所行こうか。」
フワリと深夜にしかみせない笑顔で答えたAの手を、ぎゅっと握り締めると深夜は歩きながらどこか危うい雰囲気を出すAを不安に思った。
深夜「A、今回の任務一緒に行動するのは無理なの?」
不安そうな深夜の声を聞いて、思わずAは立ち止まってしまう。
貴「深夜...?
一緒にはできないよ。私は最初単独行動って聞いてるし、深夜も新人の早乙女与一君の指導が入るみたいだよ?でも、その次からは合流するから...。
だから二人で約束しよう。
何があってもお互いの隣に帰ってくるって...ね?」
深夜「うん、ごめん。ありがとう。」
無意識なのか、またぎゅっと手を握る力が強くなった深夜の手をAも少し握り返すと、二人はグレン達の待つ建物へと足を踏み入れた。
時雨「百夜優一郎特別二等兵!!ふざけて遅刻したことへの罰を与えます。建物の中へ来てくだい。」
与一「罰って...」
君月「まさか本当に罰があるのか...?」
優「ふむ。」
呼ばれたことに素直に反応して行こうとする優の前に、申し訳なさそうなシノアが立つ。
シノア「あの、優さん。やはり今回の遅刻の原因は私ですし、私がグレン中佐に本当の事を説明して...」
三葉「いやシノアだけのせいじゃない。あたしも少しふざけ過ぎていた。ここはあたしが...」
優「ああ別にいいよ。ちょっと行って叱られてくるわ。俺グレンに叱られ慣れてっから気になんねーし。」
シノア「ですが...」
庇い合いが始まる前に、優は仲間を安心させようと明るい顔で手を振り時雨について行く。
時雨「では中に。グレン様は相当お怒りなので覚悟していてください。」
優「えー。」
時雨の後ろを歩き建物の中へ入ると、少し薄暗い部屋の中で机の前に立つグレンがいた。周りにはAも含め、深夜、小百合、美十、典人、全員揃っている。
108人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» 度々すみません。お手数ですが、目次のページの一番上と一番下、両方に名前を入れていただくと変換して見れそうです。 (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» ありがとうございます!すみません、直し方を探してみます(T_T)ご指摘ありがとうございます! (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - いつも楽しく読んでます!名前変換しても『めぐみ』になっちゃうんですけど、直せますかね?すみませんっ! (2017年10月12日 18時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 終わりの魔女さん» 夜空の涙、見させていただいてます!そんな方々に応援していただけてとっても嬉しいです!世界崩壊前の話もどこかで混ぜようと思うので、是非これからも宜しくお願いします!! (2017年8月27日 0時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 日和さん» ありがとうございます!!どこかで出会いの話も入れたいなと思っています!日和さんの作品読ませていただいていたので、コメント本当に嬉しいです!! (2017年8月26日 23時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊坂紅 | 作成日時:2017年8月13日 8時