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52話 ページ3

シノアに送り出された優が一人歩いていると、壁に寄っかかったグレンが、優を待っていたようにそこに居た。

グレン「よお馬鹿優。体の調子はどうだ?」

優「あ、グレンか。お前こそ大丈夫なのか?剣で刺されて血ぃ吐いてたろ。」

グレン「もう治った。」

優「んなわけねぇだろ。」

グレン「少なくともガキが心配することじゃない。で、そんなに慌ててどこへ行く?」

優「別に慌ててねぇけど。伝令聞こえてねぇの?」

面倒くさそうに答える優に、グレンは少し上から目線で問い詰めるような姿勢になる。

グレン「はっ。ご本家様の呼び出しにプルプル尻尾振って駆けつけるってわけか。」

優「あ?なんだよその言い方。...もしかしてお前、軍中枢と仲悪ぃの?」

優の言葉に、グレンは少しニヤッと口角を上げた。

グレン「なぁ優。知ってるか?」

優「何を?」

グレン「お前を助けたのは俺だ。」

何を言い出すかと思えば、俺様口調のグレンから発せられた言葉に、優は呆れ気味に反応する。

優「.........はぁ?」

グレン「お前を吸血鬼の都市から助けたのは、俺だ。お前に生きる方法や刀の使い方も教えてやった。」

優の反応は無視してまだ続けるグレンに、優は呆れながらもその場に留まる。

優「ってなんなのお前。今日は珍しくすげぇ恩着せがましいんだけど。」

グレン「恩を感じてるなら、今日返せ。」

優「だからお前何を...」

グレン「お前は俺が生かした。俺のものだ。俺の派閥だ。だから柊家に尻尾を振るな。」

優はグレンの言葉を理解すると、ポリポリと頭をかきながらどうでも良さそうに言った。

優「ああなるほどね。そういう話か。つまんねぇの、人間同士の争いには俺正直興味が...」

グレン「黙れよガキ。お前が興味無くても世界はそうして回って...」

優「ンな心配いらねぇんだよ。俺はもう絶対に仲間見捨てたり裏切ったりしないから。」

お互いがお互いの言葉に被せ合う中、優が力強く言い放った言葉に、グレンは不意を突かれる。

グレン「...!.........ふぅん。
だがお前は一つ勘違いしてるぞ。俺はもうお前の仲間じゃない。」

優「あ?じゃあ何だよ。」

グレン「上司。命の恩人。親代わり。これだけ揃ってたらもうお前にとっては神だな。」

優「うぜぇ〜。」

グレン「パパって呼んでもいいぞ。」

優「死ね!」

グレン「はは。」

さっきの雰囲気からは一転した会話を繰り広げる中、一つ疑問に思った優がグレンに問いかける。

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伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» 度々すみません。お手数ですが、目次のページの一番上と一番下、両方に名前を入れていただくと変換して見れそうです。 (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん,mさん» ありがとうございます!すみません、直し方を探してみます(T_T)ご指摘ありがとうございます! (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - いつも楽しく読んでます!名前変換しても『めぐみ』になっちゃうんですけど、直せますかね?すみませんっ! (2017年10月12日 18時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 終わりの魔女さん» 夜空の涙、見させていただいてます!そんな方々に応援していただけてとっても嬉しいです!世界崩壊前の話もどこかで混ぜようと思うので、是非これからも宜しくお願いします!! (2017年8月27日 0時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 日和さん» ありがとうございます!!どこかで出会いの話も入れたいなと思っています!日和さんの作品読ませていただいていたので、コメント本当に嬉しいです!! (2017年8月26日 23時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊坂紅 | 作成日時:2017年8月13日 8時

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