６９話 ページ20
暮人「つまり貴族を全部潰せば奴らはあっさり瓦解する。」
グレン「そう簡単に言うが...」
暮人「簡単だ。現在日本にいる貴族は二十五、その全員の居場所も既に分かっている。」
グレン「どうやって調べた？」
暮人「通常の手順だ。吸血鬼の都市に訓練した子供のスパイを何人も潜入させてる。奴らは人間を家畜のように扱って顔を覚えないからな。やりたい放題だよ。」
グレン「調子に乗ってると...」
暮人「足元をすくわれる...か？情報自体が罠の可能性がある？」
グレン「ああ。」
暮人「だからお前の部隊に命じるんだ。罠でも乗り越えられる。好き放題に戦力を増強してるならその実力を試したいだろう？」
グレン「結局捨て駒かよ。」
暮人「いや、実力を認めてる相手にしか頼めない。重要な任務だ。今回は本気で吸血鬼共に戦争を仕掛ける。」
グレン「...何故そんなに急ぐ？」
暮人「奴らの計画が分かったからだ。一ヶ月後、吸血鬼の本隊が東京に攻めてくる。後手に回ったら一瞬で人間は終わる。奴らの方が圧倒的に強いからな。貴族数人に同時に襲われたらどうにもできない。皆殺しにされ残るのは家畜だけ。だが今なら...」
グレン「奴らの隙を突ける？」
吸血鬼が、それも貴族が同時に東京を攻める...そんな姿は想像しただけでｿﾞｯとする。
暮人「お前がやるんだグレン。お前の部隊とお強い黒鬼三人と吸血鬼殲滅部隊百人を連れて名古屋へ行け。仕事が片付けばAも行けると言っている。」
グレン「名古屋...そこに何がある？」
暮人「貴族が１０匹いて、拠点を作ってる。名古屋はAに直接調べさせたから信用できるだろ？一匹ずつ殺して拠点を奪え。上手くいけば決戦前に１０匹全て駆逐できる。」
グレン「奪えばこちらの動きがバレる。」
暮人「バレていい。敵の目をそっちに逸らせれば十分だ。その間に決戦の準備をする。」
グレン「つまり俺には本当の計画は話せない、か？何が信じてるだ。」
暮人「拗ねるなよ。信じてないわけじゃない。最前線に立つ奴が機密情報を知るのはまずいだろ？それに、今のお前には話せない。仕方ないから、代わったら来いよ。
ま、黙って俺に従え。そしたら...俺達人間が吸血鬼共を家畜にする世界を見せてやる。」
背中を向け歩き出した暮人を見るグレンの顔はいいものでは無かった。これから訪れる大きな戦いに仲間を連れていく...その場所は戦場なのか、未来への希望なのか、地獄なのか。
グレンの中で誰かが笑った気がした。
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伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん，ｍさん» 度々すみません。お手数ですが、目次のページの一番上と一番下、両方に名前を入れていただくと変換して見れそうです。 (2017年10月12日 18時) (
レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - みぃちゃん，ｍさん» ありがとうございます！すみません、直し方を探してみます(T_T)ご指摘ありがとうございます！ (2017年10月12日 18時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,ｍ - いつも楽しく読んでます！名前変換しても『めぐみ』になっちゃうんですけど、直せますかね？すみませんっ！ (2017年10月12日 18時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 終わりの魔女さん» 夜空の涙、見させていただいてます！そんな方々に応援していただけてとっても嬉しいです！世界崩壊前の話もどこかで混ぜようと思うので、是非これからも宜しくお願いします！！ (2017年8月27日 0時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 日和さん» ありがとうございます！！どこかで出会いの話も入れたいなと思っています！日和さんの作品読ませていただいていたので、コメント本当に嬉しいです！！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: 9ae2ad2059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊坂紅 | 作成日時：2017年8月13日 8時
