儚い願い (ページ42)

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壱馬side

手を引っ張られて外まで来たけど

その引っ張ってる手は震えていて

車に乗ってからもずっと無言で外を眺めるA

いつも助っ席には座らないって言って後ろに座るけど

今日は後ろにさせちゃいけないそう思って

半分強制で助っ席に座らせた

壱馬「 A、？心配せんでええよ」

『ごめんっ、ごめん、』

Aの口から出てくる言葉は全て

ごめん。たったその言葉だけだった

壱馬「まだ俺が頑張らなあかんな」

『頑張らなくていい、私は好きだもん、今の壱馬が』

壱馬「認めてもらわないと俺が困る」

『ぱぱは昔からずっと私にだけ厳しかったっ、泣』

『壱馬のこと昔からかっこいいって言ってたのに壱馬目の前にするとすぐ強ばって、あんな口悪くなって、』

壱馬「そんなんじゃないと思うで？？俺が認められるまでまだ時間がかかるってこと。だから少しでも似合う男にならなあかんな、」

外を眺めながら話すA

泣いてるのは分かる、声からして小刻みに震える肩を見て

早く家に帰って話すともあるし、

今すぐにでも抱きしめたい、

その一心で車を走らせた

数十分くらいで隣から寝息が聞こえてきた

椅子を倒して横向いて寝てるA

信号で止まった時顔を覗くとがっつり泣いた後があった

「守らなきゃあかんのは俺なのに、」

なにか1人で溜め込ませてるような気がして、

申し訳なくて。