私、ATMなんで。-SS-〈5〉 (ページ36)

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『うん！毎年私達の家での隠し撮ッ、…ホームビデオ半年分を編集してまとめて、DVDにしてあげてるの！』

XU「はっ！？」

『ほら、子供と離れて暮らしてるとパパ達も不安でしょ？だからそれを見て安心してもらおうと思って、何年か前から二人へのプレゼントは私達の成長記録映像だよ！』

XU「母さんにもっ！？」

母「そうよ…毎年、DVD5枚くらいを押し付けてくるのよ…ご丁寧に3倍速編集で、約10時間分よ。」

『押し付けるって何よ！！私達の成長して行く様が見れて、嬉しくないの！？それでも親なの！？』

母「もう成長し切ってるでしょうが。」

XU「ちょっと待てよっ！あの隠し撮りをっ、親に見せてるって！？」

『そうだよ？何もやましいことは……あ！誰にも見せられない私達の秘め事は、もちろんカットしてるから安心してね…？/////』

XU「っ、変なこと言うな！やましい事なんて何も無いだろ！無いけどもっ！！」

『無いならいいでしょ？パパとママの誕生日がちょうど半年違いだから、半年毎に分けてそれぞれプレゼントしてるんだよ！ママは上半期担当。編集すれば私の保存用にもなるし、一石二鳥のプレゼントだよ！』

母「一応プレゼントだし？家事をしながらとりあえずはテレビで流してるけど……正直見てらんないわ。」

XU「ッ！？/////……まじで勘弁してくれ…/////」

母「パパはこの子に甘いから、私みたいに流し見しないで何日かに分けてちゃんと見てるわよ。見てる時は無の境地だけど。」

『パパは出張も多いから、それがあれば寂しくないと思って！私って、なんて親想いの良い子なんだろ〜』

XU「そんなプレゼント今年で終わりだ！！隠し撮りも、もう絶対許さないからな！」

『えっ！？なんで！？』

XU「なんでじゃねぇッ！！そもそも、家に隠しカメラがある事自体おかしいんだ！！」

母「そうよ。どうしてもっと早く気付かなかったの…」

XU「いやっ、わかってたけど！！わかってたけど有耶無耶になってたっていうか…ッ！」

母「あなたが一番甘いから。」

XU「っ、……帰ったら全部撤去だ。」

『ヤダヤダヤダっ！お兄ちゃんとの思い出は全部保存してたいのっ！お兄ちゃんが生きている瞬間を、一分一秒も逃したく無いのっ！何年か経って見返して、こんなこともあったなって幸せだった瞬間を思い出したいのっ！いつかっ、…いつかお兄ちゃんが私から離れても寂しくないようにっ、いっぱいの思い出を作っていたいの…っ！』

XU「ッ、……」