私、ATMなんで。52 (ページ9)

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XU「駄目だ。」

『なんで！？』

XU「なんで？そんな分かりきったこと聞いてんじゃねーよ。意気揚々と荷造りなんかしやがって。こんな怪しいもの……何がニューヨークだ。誰かからもわかんねーのに、のこのこ行かせるわけないだろ。」

『BだよB！Bさんが送ってくれたんだよ！』

XU「だから！Bって誰だよっ！」

『それは～……たぶん、物凄くお金持ちの人…』

XU「馬鹿だろ。」

『っ、でも！せっかくチケット送ってくれたんだよ！ファーストクラスだよファーストクラス！無駄にするなんて勿体無いよ！』

XU「ファーストクラスならまたルハンにでも乗せてもらえ。そんな得体の知れない奴なんかより、ルハンの方がよっぽどマシだ。」

『アメリカだよ！？中国行くのとはわけが違うよ！』

XU「そもそもなんで、お前をアメリカに？何が目的で？」

『それはっ、………わかんないけど…』

XU「わからないことだらけじゃねーか。それなのにお前は……無鉄砲にも程がある。」

『だって…タダでアメリカ…ファーストクラスぅ…』

XU「とにかく駄目だ。俺を怒らせてまで行く価値があるのか？」

『っ、………』

XU「わかったな？」

『はい…』

XU「じゃあ、荷造りやめてこっちおいで。飯にしよ。いただきまーす。」

『いただきます…』

XU「ったく、余計なもん送って来やがって…この住所、本当に芸能事務所からなのか？ウィリアム社だっけ？」

『みたい…私も詳しくは…』

XU「ウィリアム社って、確かに聞いたことあるな…」

『私はない。』

XU「だからなんでそれで行こうって気になるんだよ…」

『ゴリラが、アメリカで大手の事務所だって言ってた。聞いたことあるのはそれでじゃない？』

XU「いや、最近耳にした気が…ウィリアム社…ウィリアム…ウィリアム……………あっ！B！！」

『B？うわ、この煮物ウマ。さすが私。モグモグモグモグっ』

XU「ブライアンだよブライアン！！」