アダムとイヴ (ページ3)

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Episode3 ページ3

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僕がお洋服に袖を通している間に
パンやフルーツが乗ったお皿と、
温かいココアを持ってきてくれた蓮くん。

子供に食べさせるみたいにフルーツをフォークに刺して、僕のお口まで持ってきてくれるの。

「ラウール様、あーん。」

「んもう、自分で食べられるもん。」

とか言いつつ本当はでれっでれ。

蓮くんはね、こんな僕の事も"意地っ張りで可愛いですよ。"なんて言ってくれるんだ。

「あんまり見ないで･･･恥ずかしい。」

「すみません、夢中で頬張るラウール様が可愛くてつい。」

そう言って僕の頭を優しく撫でてくれる。
どこまでも甘くて、優しくてかっこいい。

僕の、僕だけの王子様。

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「蓮くん僕ね、隣町に行ってみたい！」

家の中にある沢山の本を漁っていたら、隣町の事が詳しく書かれている本を見つけたの。

町を少し歩けば、"神秘の森"があるんだって。
その森にある千年樹にお願いごとをすれば、

そのお願いは必ず叶うんだって。

でもそのお願いごとを叶えるためには決して
他の人に知られたらダメなの。

効果がなくなっちゃうみたい。

「どうして行きたいのです？」

「美味しいものが食べたくて･･･」

「それなら僕が買ってきてあげます。
今日は雨ですし、外には出させられません。
それに今月はしばらく雨みたいですし、しばらく外出は厳しいかと。」

蓮くんは僕の身体を気遣ってくれて、雨の日は外出禁止。

けれどどうしてもその森に行って
お願いを叶えたいの。

"この世が僕と蓮くんだけの世界になりますように"って。