ミイラの飼い方『なんでこんなに可愛いんだろう…』2 (ページ39)

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87話ページ39

空「んー？Aが言った通り、病院に連れてってから考えるよ

やっぱりちゃんと外に帰ってほしいから、出来る限りのことはしてあげたいし…

あっ！カギ忘れ…」

少し窓を開けっ放しにしていた空くん。
チュンはその間からパタｯと飛んで…

その姿を見た瞬間、少し昔の事が頭によぎった

(他月｢また助けられなかって泣くんだろ！なら最初から見て見ぬフリしておけよ！苦しくなるのはお前らなんだぞ！」

空「わかってるよ！」

『そんな事、ずっと前からわかってるよ!!』

空「でもだからって見て見ぬふりなんて出来ないよ！」

『この子まだ生きてるんだよっ？』

空「また繰り返すとか…っそういうの勝手に決めないでよ！まだわかんないじゃん！」

『助かるかもしれないじゃん！そしたらこの子はもう1回…ｯ』

空「もしかしたらもう一度空を…」)

そこでテレビが消えるようにプツッと記憶がきれ、空に羽ばたくチュンの姿が

ミーくんは外へ出ると静かに涙を零した

他月「……柏木…」

空「良かった

ちゃんと真っ直ぐ飛んでった。危なくなった時はどうしようかと思ったけど、これできっと、ちゃんと仲間のところに帰れるね

他月がサイト調べてくれたのと、Aが心配してくれた事、コニーの薬のおかげだね

ありがとう」

『…ｯうっﾋｯｸｯ』

空くんの言葉にどんどん涙がこぼれてくる

助けたスズメが空へと帰ったのは今回が初めてだった

他月「…」

空「ミーくん、ごめんね。窓開けっぱなしにしたせいでお別れも出来なくて」

ミーくんは泣きながらも首を横に振った

空「でも、ほんとに良かった！ずっと飛べなかったらどうしようって心配だったから

でも、どうして今まで飛ばなかったんだろうね。あ…もしかしてミーくんと仲良くなったから、もっと遊びたくずっと…」

他月「…柏木、A。良かったな元気になって」

空「うん」

『ほんと良かった』

今回の涙は嬉し涙だ

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〜空side〜

最近少しずつ春の匂いになってきたなぁ

春休みも近いし…バイトがない日ミーくん達とどこかに行こうかな

洗濯物を干し終わり、学校へ行く準備をしようと部屋へと入ろうとする

その時、1匹のスズメが近づいてきた

空「…チュン？」

指を差し出すと頭をスリスリしてきたチュン

空「ミーくん、ミーくん、こっちに来てごらん

チュンが遊びに来たよ」

ミーくんは泣きながら走り出した