6,【firstkissと恋の虜】 ページ24
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｢もしかして、初めてだった？キス｣
｢逆にナハトさん初めてじゃないんですか？｣
胸に顔を埋めたショコラが、下からナハトを見上げて少し寂しそうに呟く。
あーあ、その顔は狡いな。
｢心配しなくても初めてだ。…それに、ショコラのこれからの初めても、全部俺が貰うから。キスもデートも全部、ね｣
立って手を繋ぐと、また少し顔を赤くしてこくりとショコラは頷いた。
狂おしい程可愛いショコラの手をぎゅっと握ると、妙な達成感があった。
｢幸せって、こういう事なんだな｣
｢もっと幸せな時ありますよー、お菓子食べてる時とか｣
｢へぇ、お菓子？｣
ああ、俺、嬉しいのか。ショコラの心は、今ナハトの所にあって、ナハトの心もまたショコラの所にある。
本当はこの繋いだ手も離したくない。でも繋いだままだとバレてしまう。
｢でも残念だな、校則で恋愛は禁止なんだよ｣
｢え、それじゃ―――――｣
｢
ピンッと軽くショコラの額を弾くと、ショコラは｢痛い！｣と額を抑えた。
ナハトは｢じゃあな俺のショコラちゃん｣とからかって部屋に戻る。そうでもしないと、本心がバレてしまいそうだったのだ。
｢はぁ…―――っ｣
帰って早々ベッドに倒れ込む。
さっきはカッコつけてたりしたけれど、本当は本当に心臓がバクバクだったのだ。
大体、なんなんだあの顔は。あんな上目遣いで言われたら耐えられなくなる。
｢………俺気持ち悪｣
ショコラの前ではカッコつけて、いなくなったらこんなとか。………絶対ショコラには見せられないな。
つい勢い余って、断りもなくキスしてしまった。しかも2回。ショコラは怒ってない…よな。
怒ってないっていうことは………、ショコラも、ちゃんと俺を………。
そんな事を考えていると、また頭がぐわんぐわんしてきた。
ああ、忘れてた。俺気分悪いんだった。
と、今更な事を思い出しながら目を閉じる。身体が熱いのは気分が悪いからだけじゃなくて、多分、ショコラのせいだ。
ショコラに移っていないといいな。
眠りにつく直前まで考えていたのはショコラのこと。気分が悪い筈なのに、その寝顔は幸せそうだった。
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