死神志望でも恋はする。【３】

計画 ページ6

やけに騒がしい教室。

楽しそうな声で満ちている。

理由は言わずともわかる。

この私立絢爛学園、６月の楽しみと言えば……、

「修学旅行だー！」

そう、修学旅行だ。

今の授業は修学旅行の計画。

絢爛学園では５年生だけでなく、全学年が学園の外で色々なことを学んでくる。

１年生は海。

２年生は山。

３年生は京都・奈良。

４年生は外国。

……そして、俺達５年生は…………。

「今年も５年生は宇宙に行くぞー」

宇宙という圧倒的にスケールの違う修学旅行。

流石は絢爛学園と言ったところ、豪華絢爛である。

正直言って、俺は怖い。

が、そんな俺を他所に、皆は嬉しそうに話す。

そこで先生が注意する。

「遊ぶのもそうだが重要なのは《自分の将来について深く考えること》だぞー。忘れないように」

「はーい」

あくまでも勉強。

宇宙へ行くことの目的は主に二つ。

１つ目は今言ったように

宇宙の神秘に触れ自身の将来について深く考える

こと。

二つ目は

宇宙空間で能力を使い、少しでも成長させる

こと。

宇宙空間で能力を発動させ、効果を出すのは困難である。

まあ、俺の能力は余り空間と関係ないと言える。

電波のようなモノだからだ。

でも慣れない空間で使えるかと言えばそうでもないのだ。

それに、幾分かは影響を受けるだろう。

「宇宙か……壮大だな」

「………………そうだな」

羽波と話す。

「羽波、研修班か生活班一緒になろーぜ」

「……わかった」

「枕投げしても浮いちゃってできないかもな」

「………………一ノ瀬は埃アレルギーだろ」

「そうだな、どっちにしろ無理だったわ」

でも宇宙は男のロマンと言ってもいいだろう。

宇宙飛行士なんて男子の憧れだ。

宇宙に対する若干の恐怖を覚えながらも、楽しみにしている俺だった。

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