その２ ページ18
「『信じたいけど信じられない』……それは、
もったいなさ過ぎますよ。少しくらい
信じたっていいじゃないですか。信じて後悔
したほうがよっぽどマシじゃないですか。
…先輩を愛している人なんて、沢山いる
じゃないですか。
……アウラちゃんっていう子とか。」
まくし立てられるように言われる。
もったいない、か。
でも……、「信じた結果」があれなのだ。
脳裏にこびりついた狂った人間の不気味な笑みは、一生消えることはないだろう。
「…そうだな。でも、それを言うなら、名津留もだ。お前、後輩から怖いほどに信頼されてるだろ？能力も馬鹿強いし、俺の能力じゃ精一杯だ。」
まったく、本気を出されたらどうなることか。
「……私の能力は物騒です。誰にも止められない。…けど、おじいちゃんとおばあちゃんは、私たち三つ子を優しく愛してるって言ってくれた。」
「おじいちゃんとおばあちゃん？」
お父さんやお母さんじゃ、ないのか？
「私の両親は、事故でなくなりました。親戚に
預かられたんですけど……その時はもう物事
を考えられる年でした。」
名津留はおもむろに口を開き、過去を話し出した。
「最終的には捨てられることくらい、
分かってます。……今思うと、
なんであんなことを考えたんだろうって、
思う気はしますね。」
呆れたようにふ、と笑う名津留。
両親を失うなんて。
捨てられる、なんて……。
平和な環境に生まれた俺は、心底驚いた。
「その親戚の家からは出ました。3人で。
……雨が降る日、そのおじいちゃんと
おばあちゃんに出会いました。」
だから、おじいちゃんとおばあちゃんなのか。
「後から分かったのは……
おじいちゃんとおばあちゃんは、
人間だったっていうことです。」
人間が優しいことぐらい、とうに知っている。
「信じられない」から、こんなにひねくれているというのに。
人間が好きなのと怖いのをこじらせてこうなってるのだ。
「後から、遺書が渡されました。そこには、
［君たちが、人間じゃないのは知っているよ。
けど、君たちは驚くほどに優しい。これから
は儂たちは居ないが、頑張るんだよ。君たち
は、努力の結晶だ。］
って書いていたんです。」
おばあちゃんを思い出す。
俺のおばあちゃんがくれたのは、単純で、簡単で、でも心のこもった言葉だった。
『頑張ってね』
名津留のおじいちゃんとおばあちゃんに似ている気がした。
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カレーライス(プロフ) - クシナデソーマさん» 出させていただきました〜！(笑) (2018年6月5日 4時) (
レス) id: a859e8d67f (このIDを非表示/違反報告)
クシナデソーマ(プロフ) - 那奈でたぞぉぉぉ！うおぉぉぉ！ (2018年6月4日 22時) (レス) id: 5c1e0f6f03 (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス(プロフ) - MILKさん» ありがとうございます！頑張ります！続編の漫画？のようなあれ、楽しみにしてます！ (2018年6月2日 2時) (レス) id: a859e8d67f (このIDを非表示/違反報告)
MILK(プロフ) - こんばんは〜。ちょっと遅れましたが続編おめでとうございます（´∀｀）お互い自分のペースで楽しく更新していきましょ〜。あと、こちらの本編で大変な事になったアイリーンですが、お好きに動かしてくださって構いません。更新楽しみにしてますね〜！ (2018年6月1日 22時) (レス) id: 008b1269d6 (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス(プロフ) - 美桜さん» そう言って貰えるととても嬉しいです！ありがとうございます！美桜さんの小説も見に行きますね！ (2018年5月31日 17時) (レス) id: a859e8d67f (このIDを非表示/違反報告)
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