死神志望でも恋はする。【３】

星巡り ページ11

翌日、星巡りの観光ツアーに出掛ける。

どの星も神秘的できれいだった。

「……きれいだな…、なんで星って光るんだっけ」

たしか水素がどーとかだったな。

紫っぽく光る星を見付けたから、羽波に教える。

「ほらあれ。羽波の目の色と同じ色だよ。
　あの星、羽波っぽくないか？」

「…………そうか？……一ノ瀬を例えるなら
　……月とかだな」

「さては髪の毛の色で決めたなお前」

羽波はそう。とうなずいた。

そうなのかよ。

「…………冷たそうだけどきれいだから、
　何となく一ノ瀬っぽいとも思った」

「え？何？聞こえない」

ぽつりと羽波が言った言葉を聞き逃してしまった。

「………青い星でもいいな、って言っただけだ」

「ふーん」

先生の星の解説で聞き逃したからしょうがないけど、なんか違う気がする。

まあ、羽波のことだから返答が面倒なだけだろう。

アウラにも見せてあげたいな。

「…………あ」

地球に薄くオーロラがかかっている。

本当にカーテンみたいで、俺のつくった幻のオーロラなんかより何十倍もきれいだった。

アウラとこれを見たかったな。

俺がもうちょっと後に生まれてたらよかったな。

なんて。

「…………なんかアウラに会いたくなってきた」

「うわ出た彼女大好き野郎め」

「非リアさん？あれ、嫉妬？もしかして
　嫉妬ですか？うわぁ、醜いですねぇ非リア」

「非リア強調すんな静夜もつい最近まで彼女いなかったくせに」

上から見下す。

「でもこうやって見ると自分たちがどんだけ小さいのかわかるよなあ」

と、友達がぼやく。

「なんだよ急に。厨二臭いな」

「…………厨二病なのか？…お大事に」

「お前ら俺の扱い酷くね？」

と、少々ケンカしながらも、仲良く皆で星を眺めるのだった。

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