【終焉の使者団】既往のメッセージ【派生作品】 (ページ10)

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　誰にでも死にたくなる日ってあると思う。だから人々はその頻度が多かれ少なかれ口にする。「死にたい」するとそれを聞いた偽善者は言う。「そんな言葉を軽々しく口にするな」じゃあお前らに私が発してる言葉の重みが測れるんですかって感じだ。
　無理に決まってる。テストで悪い点をとって「死にてぇー！」なんて笑いながら言ってる彼も、実は親が厳しくて、耐えられないと思って心から死にたいのかもしれない。
　「死にたい」の重さを勝手に決めつけて「軽々しく」と言われるのは腹立たしい。そんな説教をされてくて死にたいと言っている訳では無い。別に死なないでと言われたい訳でも無いが。多分、受け入れてくれる人が欲しいだけ。

　まぁかくして、私は今現在絶賛「死にたい」思いが溢れ返っている。大洪水だ。もうとっくに私の頭の中にある東京はその死にたくなる波に呑み込まれて、喜怒哀楽その他諸々の建物が他殺若しくは線路に飛び出したい願望の四角柱と化した。あくまで私の脳内の話だ。
　ずるずると靴の底をアスファルトに押し付けながら歩く。私の歩く速度が遅いのか皆が速いのか知らないが、顔しか知らないクラスメイト達が、次々と横を通り過ぎて行った。最悪、今日皆部活休みかよ。
　こういう時に会いたくなる人は決まっている。お母さんか天ちゃん。お母さんの前で死にたいなんて言ったことないが。

　自室に荷物を置いて私服に着替えてから、またダラダラと司令室に向かう。
　司令室のドアを開けると、手前に座っていたカガミさんが振り向いた。

「おかえり浪岡。今日もお疲れだな。なんか悪い事あったか？」
「学校で良い事起きると思う？ …天ちゃんは？」
「あぁ、今は隊長副隊長含め、上で会議してるよ。暫くしたら戻ってくるだろうし、ここで待ってろよ」
「そうするつもり」

　端っこにあるほぼ私用と化した椅子に座る。壁いっぱいにあるモニターに映し出される街には、色んな人達が映っていて見ていて楽しい。画面の向こう側の人達は、何故かいつも幸せそうに見える。見えるだけだが。
　カガミさんは私の間抜け面を見て、「今日は一段と死にかけの顔してるな」と笑いながらココアをくれた。頼んでないのに。は？イケメンかよ優しすぎか。気遣いの塊かよこの男。見てるだけで私が砂になるわ。

　舌先だけココアに浸けて「あっつ」と眉間に皺を寄せていると、私が先程入ってきたドアが開いて、天ちゃんとイチムラさんが入ってきた。