No.101 ページ2
「え…?」
一瞬で何も分からなかった
相も変わらず自室に引き籠っていて、ラルビッシュが侵入したという放送で自室から飛び出した
しかし、もうその時にはレブルとラルビッシュは交戦中
銃声やら、刃の交わる金属音やらが僕の耳に嫌でも届いた
だが、僕は動けなかった
僕の異能力はどう考えても戦闘向きとは言い難い
特攻隊のような、捨て駒用の能力だ
こっそりと陰から仲間と敵の様子を見る
戦いながら何かを話している者たちもいたが、耳に入っては抜けていくばかり
そろそろ動かなければいけない、そう思った時だった
途端に辺りが閃光に包まれる
それと同時に、熱風が吹き抜ける
周りよりは長く生きていると自負しているが、初めての経験だった
核兵器のような、人工的な光だ
立ち尽くすことしかできない僕はあっという間に光に飲み込まれた
手の皮膚が脆く朽ち、剥がれ落ちるのが目に入る
別に痛くはなかった
死に慣れている僕としては、恐怖も然程なかった
ただ死んで、目の前に仲間がいなかったらどうしようかという恐怖は拭えない
もしもという仮定の話故に、不安で仕方がないのだ
そして、そんな不安を抱えながら目を瞑り、その場にうずくまる
案外死ぬのは簡単なもので、眠気は待ってましたとばかりに僕に襲い掛かった
.
.
.
数十分程だろうか
首には何やら固く、ひんやりとした感触があった
きっと何かの建物に飛ばされ、ぶつけられたのだろうと目を開ける
視界に広がっていた光景に驚愕し、思わず目を見開いた
夕暮れでもないのに、赤く染まった景色
急いで辺りを見回すと、僕より少し前にこの景色を見たのであろう
ボロボロになったレブルとラルビッシュが目に入る
どうやら、仲間を失うことはしていないようで、少し安堵の色が顔に出てしまう
覚束ない足取りで仲間たちの元へ向かい、談笑したい気持ちを抑え込む
すると、ラルビッシュの首領であろう黒髪の男がスマホ越しに誰かと会話する
スピーカーの為、会話は筒抜けだ
内容は聞くに、レブルとラルビッシュの影響か、一般の子供たちが反乱を起こしているらしい
そして、その黒髪の男はラルビッシュの構成員らの前に立ち、僕たちに一つの案を示した
「このままじゃ子供達の命が奪われるだけだ。そんな世界望んでない…そうだろ?なら…
この反乱を終わらせないか」
正直ラルビッシュと手を組むのは気が進むとはとても言えない
だが、みんなが首を縦に振るなら僕もそれに合わせるしかない
沈黙が流れる中、僕は誰かが口を開くのを、ただただ口を噤んで待った
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花梨(プロフ) - 皆さまお疲れ様でした〜 (2018年9月14日 22時) (レス) id: e3aad0174a (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - お疲れ様でした!あまり参加出来ずにいて申し訳ありませんでした…!本当にありがとうございました!! (2018年9月14日 21時) (レス) id: 6dddb2cb16 (このIDを非表示/違反報告)
睦都(プロフ) - 初めからずっと見てました!主催者様、参加者様の皆様お疲れ様でした!剣士君たちとても好きです(*^^*)ほんとうにお疲れ様でした (2018年9月14日 19時) (レス) id: 3a040f6594 (このIDを非表示/違反報告)
羊素。(プロフ) - 遂に完結ですか…少し寂しい気もしますが、主催者様、及び参加者の皆様、お疲れさまでした。 (2018年9月14日 5時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - お疲れ様でした! (2018年9月13日 18時) (レス) id: c46d432f11 (このIDを非表示/違反報告)
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