No.60 ページ11
レブル基地、午後6時過ぎ。
「かまきりって首取れてもしばらく動くんだな〜オレ初知り〜」
「蟷螂は神経動かせる機能が色んな節にあるらしいからな。ところで志夕、そういう話は食事中にデカイ声でしねえ方がいいぜ」
明らかに不快そうな反応を示す隊員達(勿論大半は女子である)を横目に、医療部隊隊長__浅葱翼はハテナマークを頭に浮かべる志夕に耳打ちした。「え、なんで?」「なんでも」のやり取りが小声で行われる。
「というかテメェまた虫"で"遊んでたのかよ……」
「えー、ちげーもん。なんかかまきり二匹いたから戦わせてたんだよ。面白くて見てる内にいつのまにかどっちも相手の首取ってたの〜南無三〜」
翼の前にある異常なほど真っ赤なカレーを凝視しながら志夕が先ほどより声のボリュームを下げて答え、またそれに「まあ、そりゃよくあるか」と何故か納得した様子の翼が返す。ちなみにその間、彼の視線は志夕の前にある大量の粉チーズで薄黄色に染まったカレーに釘付けになっていた。
「そんで二匹とも頭失くしてからもしばらく戦っててさぁ、見てたら飽きてきたからスコップで潰した〜」
「あァ?なんだ、殺したのかよ。ちゃんと俺んとこ持ってきたンなら解剖してやったのによ、ハリガネムシ出てきたか?」
「あーあの黒いの?なんか後に潰した方から出てきたからそれもスコップで御臨終〜」
容赦ねーな、と吐き捨てながらもカレーを食すペースは一向に落とさない医療部隊隊長。対して__食事中だというのに11歳の少年が嬉々とした様子で二匹の蟷螂を潰す様子を嫌でも思い浮かべてしまったのだろうか。彼らの周辺に座っている何人かの隊員達の顔は益々曇っていくばかりだ。人間の無残な死体は見慣れてきた面子ばかりだろうに、スプラッタ系の虫の死骸には、また別の生理的な嫌悪感を覚えるのかもしれない。
「なんか剣闘士見てるローマ市民の気持ちわかった気がするわぁ」
「おいおい、スパルタクスみてーな勇敢な蟷螂がいたらどうすんだ?反乱されても俺は知らねーぞ」
「そのスパなんとかは知らねーけどたいちょーが言うならそうかもな〜、今日の夢に出てきたらどうしよー」
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すふ丸@課題消化につき低浮上(プロフ) - 盛り上がってますね……!更新ペースが落ちないので凄く安心感があります。えげつない量の課題を与えられてしまったため中々更新はできませんが、皆様が第三部にどう繋げていくのか、企画参加者として今後の展開を楽しみにしております\(^o^)/ (2018年7月29日 13時) (レス) id: d6d481a1f7 (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 第二部、二つの組織がぶつかってからの怒涛の更新……! 皆様お疲れ様です。 (2018年7月29日 13時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
一酸化炭素。(プロフ) - 遂に幻聴が聞こえ始めたかもしれないウチの子…誰か助けて (2018年7月27日 12時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - あはー、また謎の文字化けしてる……。一体なぜ。 (2018年7月27日 11時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - Sakiさん» 淋ちゃんは流架さんラブなので必然的に出ますよw (2018年7月26日 21時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
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