□ 第105話 自分の気持ち □ ページ5
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「自分の、気持ち…？ 何を」
「じゃあ今の気持ちを言ってみて？ デウス、正しく自分の心を表せる？」
「………………!!」
心が陰るように太陽が雲に隠れる。影が落ちたステラの表情は、笑みを浮かべたままで目を光らせていた。デウスはその質問に答えられない自分がに気が付き目を見開く。自分が人間に見えなくなってきたのだ。
自分の気持ちがわからない…？ 俺は今喜怒哀楽何の感情を抱いているんだ…？
何がしたいと言われれば何でもいいと答える。何を食べたいと聞かれれば何でもいいと答える。何処に行きたいと言われれば何処でもいいと答える。「何でもいい」んじゃない。自分のしたいと思うことが分からないのだ、或いは無いのだ。
「俺、は──…」
「デ……、…はボ…………ち………る？」
「何、ステラ聞こえない」
風が強く吹いて、ビュウビュウと唸りながら二人を通り過ぎていく。そのせいでステラの声がよく聞こえない。デウスはすがるように聞き返すと、ステラはデウスの耳元でもう一度言った。デウスはその言葉を聞いて呼吸脳心臓、全ての動きを一瞬だけ止めた。
「自分の気持ちを言えない人間は、いつまで経っても人を護れるようになんて成れやしないよ。…ましてや、何を護りたいかも分からないのに護りきれる訳なんてないんだよ」
じゃあ、俺はどうすればいい。教えてくれよ。
そう言ってもステラはきっと教えてはくれない。自分で、自分の心が分かるようにならなければならない。デウスは俯きがちに返した。すると、ステラはデウスの顔を自分に向かせて「まず真っ直ぐ人を見れるようになろうね」と笑った。
「そう言えばステラとデウスって苗字なんていうんだろう。二人とも知ってる？」
「………知らん」
「確かに…知らない…」
「いや知らねぇのかよ」
窓の外の二人を眺めて、千秋はふとそんな質問をバラトと那楽に吹っ掛けた。よく考えてみると名前しか紹介されていないので苗字を知らない。
バラトは「そんなこと聞かれても」という表情をした後、数秒考えてから知らないと答えた。那楽も同様に眉間にシワを寄せて知らないと答えた。
暫くしてベランダから戻ってきた二人に聞いてみる。
「え、姓？」
「なんで知らねーの」
「いや名乗られたことないなって」
「てっきり知ってると思ってた」
「俺らの店の名前。何でも屋『バルディーニ』。ステラ・バルディーニとデウス・バルディーニだよ。嘘だろ」
「嘘だろ店の名前を初めて聞いたよ」
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くろせ(プロフ) - 桐箪笥さん» あぁ！ ホントですね!! ご指摘ありがとうございます、訂正致します！ (2019年9月1日 20時) (
レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
桐箪笥(プロフ) - 36ページの違いドロドロは血がじゃないでしょうか？違うのなら申し訳ないです (2019年9月1日 17時) (レス) id: c5094549cd (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - Noel*26さん» ありがとうございます！ やっと出てきましたね〜、ここまで来るまで長かった…(笑) (2019年9月1日 6時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - 相変わらずの早起き更新お疲れ様です（ ＾ω＾）ついに「ストックホルム症候群」という単語が本編に出てきましたね...うー、続きが気になる気になる木です（は？）これからも応援しています（ ＾ω＾）更新がんばって下さいー (2019年8月31日 7時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 桐箪笥さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2019年8月26日 22時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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