□ 第138話 側にいる □ ページ38
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千秋は椅子に登って窓を覗き込むと、「見えた！」と声を上げた。少しだけ下の方に光っている「草薙商事」の看板。千秋はそれを伝えようと口を開き、「草薙」まではハッキリと伝えた。…しかし、その後の小さな物音を境に、千秋の声は聞こえなくなった。バラトは名前を呼び掛けるが、返事はない。
「千秋、おい千秋？ …チッ、返事しやがれクソガキ」
応答を要請するも、幾ら耳に神経を集中させようと聞こえるのは機械の音のみ。
バラトはその沈黙の間に、ステラやデウス、那楽に「草薙」という建物があるかどうかを調べるよう伝えた。伝え終わったすぐ後に、千秋とは違う甘ったるい声が通信機の向こうから聞こえてきた。
『あなたがバラトですか？ まぁ違っても構わないんですが…相原千秋さんは私が預かっています。いや〜怪しいと思ってたんですよね〜。見張っていて正解でした！』
「…どこで千秋を知ってなんで千秋を狙った」
『そりゃ、千秋さんがバラトの弱点だからです。そう不破くんが言っていたので、私はどこで知ったかは知りませんが。あぁ、通信機切らないで下さいね、千秋さんもこれから殺害対象なので言うことを聞かなければすぐ殺します』
華穂は「千秋さんに生きていて欲しいならあなたが死んでください」と言った。
場所と時間を指定し、そこに来れば千秋を返すとの事だった。「うそつけ」バラトはそう思ったが、千秋がそこにいる可能性があるのなら行く他ない。千秋やステラやデウスや那楽の為なら、この身を擲ったって構わない。でもそれは今ではない。
「(
恐らく指定された場所に行けば人が待ち伏せているだろう。ただ、負ける気も更々ないのだ。いや、勝てる気しかしないのだ。
指定された時間は明日の夕方5時。バラトは暗い窓の外を睨み付ける様に見た。
ステラはふと夜中に目を覚ました。見回すとそこはリビングで、寝落ちしていたのだと気が付く。肩には毛布が掛かっており、側にはデウスが寝ていたので掛けてくれたのはきっとデウスだろう。「ありがとう」と言って毛布を掛けてから、ステラはバラトの部屋の電気がついていることに気が付く。
バラトと那楽の声が聞こえた。
「バラトさん…。このままじゃ、死ぬよ？」
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くろせ(プロフ) - 桐箪笥さん» あぁ！ ホントですね!! ご指摘ありがとうございます、訂正致します！ (2019年9月1日 20時) (
レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
桐箪笥(プロフ) - 36ページの違いドロドロは血がじゃないでしょうか？違うのなら申し訳ないです (2019年9月1日 17時) (レス) id: c5094549cd (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - Noel*26さん» ありがとうございます！ やっと出てきましたね〜、ここまで来るまで長かった…(笑) (2019年9月1日 6時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - 相変わらずの早起き更新お疲れ様です（ ＾ω＾）ついに「ストックホルム症候群」という単語が本編に出てきましたね...うー、続きが気になる気になる木です（は？）これからも応援しています（ ＾ω＾）更新がんばって下さいー (2019年8月31日 7時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 桐箪笥さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2019年8月26日 22時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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