□ 第93話 へぇあれが □ ページ43
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デウスと千秋は、「イタリアから留学してきた友達を心配して一緒についてきた女友達」という設定で大学へ乗り込んだ。我ながら「なんだこのめんどくさい設定」とは思うが、そのくらいが丁度いいとも思った。一方デウスはカタコトな日本語を練習していた。カタコトになるよう練習する人なんて見たことないのだが。
電話したら“割と”快く迎え入れてくれたその研究者たちは、研究室内を見せてくれた。その眼鏡の研究員に、デウスはさりげなく質問する。
「この薬って何の薬なんですか？」
「とある心臓病の画期的な治療薬です。30年〜40年前は不治の病だと言われていましたが、この薬があればそんな現実も吹いて飛ばすような冗談になります」
「これって…だれが考えたんですか？」
千秋はその質問に青い目を光らせた。相手の研究員は、嘘をついている様子も何かを隠す様子もなかった。恐らく、これが何処かから盗まれた情報をもとに作られたのだと知らない。男性は「須賀井さんっていう凄腕の研究者がある日突然持ってきたんですよ」と嬉しそうに言った。
彼曰くラクの父親…那音は薬のカリスマ研究者で、原型としたデータもほぼ完璧なものだったと言うのだ。うっとりとしながら言うあたり、彼は那音に憧れているのだろう。
それを壊して申し訳ない、という気持ちもあるが生憎友人が反抗期のため「じゃあ見逃そう」と言う訳にも行かないのだ。
そもそもラクが何故この事態を知っているのかと言えば、彼がいつも治療している暴れん坊の情報屋から聞いたのだ。暴れん坊と言えどプロなのだ、噂は恐らく本当だろう。情報屋は言ったのだという。「盗んだのは須賀井って野郎だそうだ。まさか旦那、関わってないよな？」関わってはいないが家族が関わっている。須賀井という苗字もそう多くはない。
「…なんか、合ってるのか合ってないのかわかんないや」
「……それはきっと、千秋が周りの目を気にしてるからだと思う。周りとか世界の尺度じゃなくて、自分で決めないと。“悪事を暴こうとする友人を助ける”のが正しいか、“病人の為に悪事を見逃す”のが正しいか」
デウスははい、と自動販売機で買ったジュースを千秋に渡した。千秋はキャップを開けて一口飲むと、「そうだね」と呟いた。
「へぇあれが相原千秋か」
──それを、首を傾げて見ている男がいた。「誰かに似てるんだけどな」そう思いながら。その男は先輩にがしっと掴まれ引き摺られていった。
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くろせ(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます！検討致します (2019年5月10日 18時) (
レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 千秋ちゃんが大犯罪者でバラトが誘拐される立場逆転物語を見てみたいです。 (2019年5月10日 15時) (レス) id: 95b6da62c6 (このIDを非表示/違反報告)
白雪の鴉亭(プロフ) - そうですか……わかりました！企画の検討お願いします！ (2019年5月10日 0時) (レス) id: 033af8111d (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 白雪の鴉亭さん» 猩々木ちゃんは、千秋(嘘吐きさん)のターンで殺されたのではなく、投票で殺されたので、本当に死んでしまった形になります。企画の件、検討します！ (2019年5月9日 23時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
白雪の鴉亭(プロフ) - 募集したキャラのその後とか書いて欲しいです！（ただ単にポインセチアがどうなったのか気になるだけですが……） (2019年5月9日 23時) (レス) id: 033af8111d (このIDを非表示/違反報告)
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