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□ 第63話 体調不良 □ ページ13

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 やっと日常に戻った感じがして、千秋は安堵感と幸福感でいっぱいだった。あんな犯罪者の集まりにずっといるなんて無理だ。願わくばもう一生会いたくない。いつも勝手に占領している内にバラトが寝なくなったベッドで、今更「そういえばこれバラトのベッドか」と気が付く。…よく考えるととても恥ずかしい事をしていると気が付き、思わずベッドに潜り込んだがそれも恥ずかしくて顔を出す。

「(だってだってだって…! バラトのいい匂いとかするし…、っていうかこの布団に包まれるってバラトに抱き締められるのと同義では…!?)」

 他人が自分のベッドで寝ているのに怒りもせず起こしもせず邪魔もしないなんてバラトは割と優しいのだろう。気になってバラトを探しに行くと、バラトはソファーに寝転がっていた。いつも千秋が起きる頃には髪型もキメている(いやキマってない)のだが、流石に眠る時は髪の毛もほどくようである。前髪長いんだな、と前髪をつまんであげると、閉じられた長い眉毛が露になった。普通に千秋の睫毛の長さを越えている。羨ましい、そう思いながら千秋はベッドに戻り、目をきゅっと瞑って千秋は枕に顔を埋めた。


「んーっ…! ふぅ」

 珍しくバラトに叩き起こされず済んだ朝は爽やかである。時間を見ると6時半。バラトが千秋を叩きにくる時間である。今日はやらないのかな、と思いながらバラトが眠っていたリビングに入り、ソファーの上を見た。ソファーの上にバラトはいない。

「バラト?」

 どうやらソファーから落ちただけで寝ているようだ。そう言えば今日はイビキをかいていないらしい。仕返してやろう、千秋はそう思いながらバラトの頬をベシベシ叩く。するとバラトは目をゆっくり開け、「ふざけんな吐くぞクソガキ」と言った。ふざけた調子で嫌だと返すと「具合悪いっつってんだよ」と返ってきた。え、マジで吐くの!?そう言って千秋はソファーから離れた。

「え、だ、大丈夫? キャンディ持ってくる…?」
「……いらね」
「わぁぁっ、危ないよ」

 ずるずると歩くバラトを支えながらベッドへ向かう。熱があり、バラトの顔色が悪いのは明らかだ。いつも真っ白だからわかんなかった、と千秋はなんとかバラトを寝かせた。バラトはリビングのところから英語で書いてある瓶を持ってこいと指示をした。

「なんで英語?」
「俺がアメリカに住んでたときそれ飲んでたからだよ…早く持ってこい」

 バラトは久し振りに悪くなった具合に舌打ちをした。

□ 第64話 手 □→←□ 第62話 十分な回答 □



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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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くろせ(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!検討致します (2019年5月10日 18時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 千秋ちゃんが大犯罪者でバラトが誘拐される立場逆転物語を見てみたいです。 (2019年5月10日 15時) (レス) id: 95b6da62c6 (このIDを非表示/違反報告)
白雪の鴉亭(プロフ) - そうですか……わかりました!企画の検討お願いします! (2019年5月10日 0時) (レス) id: 033af8111d (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 白雪の鴉亭さん» 猩々木ちゃんは、千秋(嘘吐きさん)のターンで殺されたのではなく、投票で殺されたので、本当に死んでしまった形になります。企画の件、検討します! (2019年5月9日 23時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
白雪の鴉亭(プロフ) - 募集したキャラのその後とか書いて欲しいです!(ただ単にポインセチアがどうなったのか気になるだけですが……) (2019年5月9日 23時) (レス) id: 033af8111d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろせ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月28日 22時

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