□ 第62話 十分な回答 □ ページ12
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「いやぁ、災難だったねぇ…はぁぁ」
「そういやバラト、100億はいいのか？」
「いらねーよあんなはした金。金なんてあっても困るしなステラ体力つけろよ」
「お金があればなんでも出来るよ？」
「うっせ守銭奴」
一通り走り終えて、ステラはぜぇぜぇと息を切らす。どうやらデウスやバラトに比べて体力がないようだ。バラトは確かここら辺だった、と言いながら周辺の住宅を見回し、家のひとつを見付けると二人を招いて入れた。そこでバラトはやっと、千秋が眠っている事に気が付いた。窓を見ると朝日が昇っている。「眠くなるのもしかたねぇか」と、バラトは千秋をソファーに寝かせた。
千秋とバラトがいたような高級マンションではなく比較的平凡な造りの一軒家。あ、そうだ。とステラはテーブルに座ると「バラトの偽者について、ひとつ掴んだよ」と言った。バラトは何処からか引っ張り出してきた棒つきキャンディを口にくわえ、椅子に座る。
「それ以上はとても怖がって話してくれなかったんだけど…“日本人”っていうのは聞いたよ」
「日本人…？ 日系人じゃなくてか？」
「ああ。日系人…て可能性もあるけど、どのみち出会ったのは日本らしいし、日本に戻ることは必要だと思う」
「…めんどくさ」
「まぁそう言うなって」
気掛かりなのは千秋の事だ。日本に戻って空港で引っ掛かったら不味い。気になって事件のことを調べて見るとバラトは目を見開いた。バラトは、千秋を見るとふっと笑った。
そして、アメリカから遥々日本へ帰国した千秋とバラト。千秋は相変わらず緊張しながら税関職員の壁を越えたが、嘘つきゲームのお陰で嘘をつくのは上手くなった。バラトはいつにも増して早足だ。足も長く大股なので追い付くのに精一杯な千秋は、部屋に帰るまででもう息を切らしていた。千秋は今日までのことを思いだし、「いや中々濃いな…」と呟いた。総会がたった一夜のことなんて思えない。し、そこに自分がいたかと思うとゾッとする。
「アキ」
「うぇっ！？ は、はい」
「お前は何を信じる？ 何が本当の愛情だと思う？」
バラトに急に名前を呼ばれ急いで振り向く。その質問は意外なもので、バラトの表情は真面目だった。千秋は暫く考えるとこう答えた。
「私は信じたいものだけ信じる。その信じたいものを信じるのが本当の――…真実の愛だと思う」
もともと正解なんてない問題。でもその回答はバラトには十分で、バラトはそうか、と言うとにやっと笑った。
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くろせ(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます！検討致します (2019年5月10日 18時) (
レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 千秋ちゃんが大犯罪者でバラトが誘拐される立場逆転物語を見てみたいです。 (2019年5月10日 15時) (レス) id: 95b6da62c6 (このIDを非表示/違反報告)
白雪の鴉亭(プロフ) - そうですか……わかりました！企画の検討お願いします！ (2019年5月10日 0時) (レス) id: 033af8111d (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 白雪の鴉亭さん» 猩々木ちゃんは、千秋(嘘吐きさん)のターンで殺されたのではなく、投票で殺されたので、本当に死んでしまった形になります。企画の件、検討します！ (2019年5月9日 23時) (レス) id: 172c2d6dd4 (このIDを非表示/違反報告)
白雪の鴉亭(プロフ) - 募集したキャラのその後とか書いて欲しいです！（ただ単にポインセチアがどうなったのか気になるだけですが……） (2019年5月9日 23時) (レス) id: 033af8111d (このIDを非表示/違反報告)
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