□ 第6話 朝 □ ページ6
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目の前に自分をいじめていた主犯が倒れている。周りには赤い液体が飛び散り、鉄の匂いが充満していた。足元には重い石。血も付いている。物音がして前を見れば同じ制服を着た女子が嫌悪と恐怖の滲み出る顔でこちらを見ていた。忽ち辺りは悲鳴で溢れかえる。それを呆然と見ているとあっという間に人が集まった。まるで裁判所だ。何処を見ても人がいる。
「人殺し！人殺しだ！」
「いじめられてる腹いせに殺人とか…ないわ」
「え、誰あれ、死んでるの？」
「警察呼んで！」
「なぁオレらこいつ捕まえたらお手柄なんじゃ…」
一人の少女がこちらにスマートフォンのカメラを向けている。それがあるだけで千秋にとってはナイフを首に当てられている気分だった。聞き覚えのあるサイレンに恐怖を感じ足を反対側に向けると、地面がどろりと溶けた。足元からズブズブと沈んでいく。先程まで千秋を責め立てていた人間も、何もかもが崩れていく。そんな中たった一人人間の形を保った者がいた。片目が隠れた前髪、趣味の悪い緑色の上着。その人は手を差し伸べながら言った。「お前は臆病っつったろガキ」バラト、そう言おうとしたとき差し伸べられた手は千秋の顔をバチンと叩いた。
「いった！は！？？いった！！！」
「うっせぇなギャアギャア喚くんじゃねぇよ」
目を覚ますと目の前にはドアップの誘拐犯の顔があった。思わず勢いよく頭を起こし危うくぶつかりそうになったがバラトがいとも簡単に避けたので痛い思いはせずにすんだ…が、起こすのにビンタをされたようで頬が痛い。「レディに手ぇ上げるなんて酷い」なんて言いながら頬を擦ると「お前がレディだったらこの世の終わりだ」と返される。バラトは飴玉をくわえて聞いた。
「何の夢みてたんだガキ」
「え？」
「うなされてたぞ。モゾモゾうるせぇ」
「えぇ…覚えてない」
「どうせ昨日の事夢にみてたんだろ。さっさと忘れとけ」
「てかまた飴食べてんの？」
「飴なくなったら生きていけない」
「そこまで！！！？」
確かに思い返すとバラトはずっと棒つきキャンディを食べている。ロクな食事をしていなさそうだ。千秋は勝手に大きな冷蔵庫を開け、朝食を作り始めた。大きなテレビから目を反らさないバラト。千秋の行動に気がついていながらも止める気は特になかった。バラトは小さくなったキャンディをガリガリと音をたてて噛み砕いた。ただただ、いつもひとりだったハズのリビングに誰かがいるという妙な感覚に眉を潜めながら。
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くろせ(プロフ) - 漣さん» ほんとですね！誤字報告ありがとうございます！訂正致します！ (2019年4月2日 17時) (
レス) id: 09d294978c (このIDを非表示/違反報告)
漣(プロフ) - いつも更新楽しみにしている者です。42話の｢ステラは別の本物と思われるダイヤモンドを取りだし、そのまま逃げ出した。｣という文章なのですが、デウス君ではないでしょうか？勘違いでしたらすみません！コメント失礼しました。 (2019年4月2日 17時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)
飴ん子(プロフ) - くろせさん» ああ、そうでしたか。すみません！！！ 了解です、その機会があれば、またコメントします。バラトニキと千秋ちゃんがすこなのでお気に入りに登録します。改めて失礼しました。 (2019年4月1日 14時) (レス) id: 1a98819731 (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 飴ん子さん» すみません、今はキャラクターは募集しておりません…。また続編とかで募集すると思うので、その時までお待ちくださいませ！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 09d294978c (このIDを非表示/違反報告)
飴ん子(プロフ) - 素敵な一次創作ですね…！バラトさんすこ。(唐突) この素敵な企画に是非ともキャラクター提供したいのですが、どうでしょうか？ (2019年4月1日 11時) (レス) id: 1a98819731 (このIDを非表示/違反報告)
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