□ 第36話 開始 □ ページ36
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「ステラ!」
「あ、千秋ちゃん。頑張ろうね」
「うん…、て言うか、ステラ総会来ないと思ってた」
「そう?お金稼ぎに丁度良いよ」
「…あー」
会場は先程の部屋より狭くそこには見たことのある白髪があった。ステラはいつものように柔らかに微笑んで千秋を安心させた。そんな薄っぺらい安心もつかの間、ドアの鍵が閉まる音が聞こえ、天井からスクリーンが降り主催と思われる人間のシルエットが映し出される。
『どうもこんばんは、Aブロックの皆さん!あなた様にはゾクゾクするゲームをご用意しました!その名も“
「ライアーゲーム?」
『ルールは簡単!“嘘つきさん”はランダムで人を殺し、誰が嘘つきさんかを投票で決めます。投票で一番多かったのが嘘つきさんの場合!嘘つきさんは
「し、死亡って…どういうこと…?死ぬの…?」
『はい。勿論。逆に、投票で一番多かったのが嘘つきさんじゃなかった場合!嘘つきさんは生き残り、嘘つきさん以外の誰かがランダムで脱落となります』
どうです?ゾクゾクするでしょう?そんな主催の声も聞こえず、後退りした千秋は壁にコツンとぶつかった。死と隣り合わせのゲームをしないといけないなんて。千秋の足先から駆け巡る恐怖は身体中を震わせ、嫌な汗を垂らすばかりだった。目の前が暗くなり、血の気が引いていく。横たわりたい、気持ち悪い――――…、
『千秋!聞こえるか』
黒い霧を晴らすような凛として何処か艶かしい声が耳を通る。…どうやら私は、あなたがいないとここまで不安になる弱い人間になってしまったらしい。そう思いながら千秋は足の力を抜き、ペタンと座り込んだ。
「…チッ、めんどくせぇゲーム用意しやがって…。…おいデウス飴何処にやった?」
「お前の上着のポッケの中だろ?」
「……はぁ…あークソ、最悪だ…」
棒つきキャンディを食べようポケットに手をいれたバラトだったが生憎そこにキャンディはなく、しくじった、と頭を抱える。どうもあれを食べないと本調子ではないらしい。ライアーゲームねぇ、と呟きながらバラトはスクリーンを睨んだ。
『どうもこんばんは、Bブロックの皆さん!あなた様にはワクワクするゲームをご用意しました!』
「うっせぇなお前のゲームでワクワクしたことなんてねぇっつの。バーカ」
「…お前主催嫌いなの?」
『その名も“リアルケイドロ”!』
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くろせ(プロフ) - 漣さん» ほんとですね!誤字報告ありがとうございます!訂正致します! (2019年4月2日 17時) (レス) id: 09d294978c (このIDを非表示/違反報告)
漣(プロフ) - いつも更新楽しみにしている者です。42話の「ステラは別の本物と思われるダイヤモンドを取りだし、そのまま逃げ出した。」という文章なのですが、デウス君ではないでしょうか?勘違いでしたらすみません!コメント失礼しました。 (2019年4月2日 17時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)
飴ん子(プロフ) - くろせさん» ああ、そうでしたか。すみません!!! 了解です、その機会があれば、またコメントします。バラトニキと千秋ちゃんがすこなのでお気に入りに登録します。改めて失礼しました。 (2019年4月1日 14時) (レス) id: 1a98819731 (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 飴ん子さん» すみません、今はキャラクターは募集しておりません…。また続編とかで募集すると思うので、その時までお待ちくださいませ! (2019年4月1日 13時) (レス) id: 09d294978c (このIDを非表示/違反報告)
飴ん子(プロフ) - 素敵な一次創作ですね…!バラトさんすこ。(唐突) この素敵な企画に是非ともキャラクター提供したいのですが、どうでしょうか? (2019年4月1日 11時) (レス) id: 1a98819731 (このIDを非表示/違反報告)
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