□ 第35話 ゲーム □ ページ35
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「なにこれ、美味しい!なんてお肉かな」
「あ?人肉」
「え?」
「…………」
「いや誰か否定しろよ」
「まぁあり得なくもないですから」
「でもコレは人肉じゃナイヨ!」
「くっくっく、人肉って聞いたときのお前の顔!あー面白ぇ」
暫くすると、次々とコース料理が運ばれてきた。メインであろう美しい肉は、これまで味わった事のないほど肉らしくまた上品だった。そんな料理に感嘆を漏らす千秋にバラトは無表情で一般人には割とキツイ一言を口にした。さも当然のような顔で言い放ったバラトに一瞬信じかけた千秋だがからかわれている事に気が付くと嫌そうな顔をした。食事を終え優雅な音楽に耳を傾けていると、突如その音楽を切り裂くノイズが鳴り響いた。その音にどうしようもない嫌悪感を覚え、千秋はバラトの服の袖をぎゅっと掴んだ。
『犯罪者総会にお集まり頂いた犯罪者の皆さん!そろそろ平和な時間に飽き飽きしてはいませんか?そんな犯罪者の皆様に!今年もシビれるゲームをプレゼント!』
「…ちょっと何言ってるか分かんないですね」
「小学生か。聞いてやれ」
『ゲームの優勝者には〜!?なんと賞金100億円!それではブロックを発表いたします〜!』
「…100億円?ハッ、はした金だな」
AブロックとBブロックに分かれるらしく、スクリーンに名前が映し出される。こんなに驚いたことはない。そこには千秋の名前があった。私は犯罪者じゃない!そう叫びそうになった千秋だが、表から見れば自分も人殺しであることに気がついて頭を垂れた。千秋はAブロックだったが、頼みの綱のバラトはBブロックだった。あぁ、これ私死んだな。そう呆けているとバラトが千秋の胸元に手を伸ばす。
「ちょっ…!?」
「あ?ネックレスだよ誰がお前のまな板に手ェ出すんだよ」
「まな板じゃないし!最低!」
「ハッ、世紀の大犯罪者に最低とか目に見えてるわ。これ耳につけとけ。ヒントくらいは出してやらぁ」
バラトはネックレスをいじくり中から小さく薄いワイヤレスイヤホンのようなものを出した。あぁ、ネックレスはこのためか。喜んで損した、口を尖らせる千秋だった。暫くして会場を離れ、Aブロックの部屋へと移動する。そこにはステラがおり、千秋はつかの間の安心を手にした。
一方バラトは、いつもと一風違う考え事をしている時の顔でBブロックの顔ぶれを見渡した。…外は雨だ。
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くろせ(プロフ) - 漣さん» ほんとですね!誤字報告ありがとうございます!訂正致します! (2019年4月2日 17時) (レス) id: 09d294978c (このIDを非表示/違反報告)
漣(プロフ) - いつも更新楽しみにしている者です。42話の「ステラは別の本物と思われるダイヤモンドを取りだし、そのまま逃げ出した。」という文章なのですが、デウス君ではないでしょうか?勘違いでしたらすみません!コメント失礼しました。 (2019年4月2日 17時) (携帯から) (レス) id: b835eb55b1 (このIDを非表示/違反報告)
飴ん子(プロフ) - くろせさん» ああ、そうでしたか。すみません!!! 了解です、その機会があれば、またコメントします。バラトニキと千秋ちゃんがすこなのでお気に入りに登録します。改めて失礼しました。 (2019年4月1日 14時) (レス) id: 1a98819731 (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - 飴ん子さん» すみません、今はキャラクターは募集しておりません…。また続編とかで募集すると思うので、その時までお待ちくださいませ! (2019年4月1日 13時) (レス) id: 09d294978c (このIDを非表示/違反報告)
飴ん子(プロフ) - 素敵な一次創作ですね…!バラトさんすこ。(唐突) この素敵な企画に是非ともキャラクター提供したいのですが、どうでしょうか? (2019年4月1日 11時) (レス) id: 1a98819731 (このIDを非表示/違反報告)
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