ストックホルム系犯罪譚【オリジナル】

□ 第34話 犯罪者 □ ページ34

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「…チッ、クソ…俺こいつら嫌いなんだよ」
「同業者でしょ？」
「俺とコイツらを一緒にすんじゃねぇ！『アハハハハ人殺すノ楽シイ！』とか『人食べるのオイシイ！』とかただのサイコだろサイコパスの集まりだかんなここ！」
「何自分のこと棚にあげてんの！？」
「俺はちゃんと『意味』ありきで犯罪してんだよバカ」

　喧嘩しながら歩いていく二人を犯罪者たちは頭にハテナを浮かべながら見届けた。すると後ろからステラとデウスが来、「案内してもらわないとダメだよ」と笑顔で注意された。すると二人の後ろから男性が出てきて席へ誘導した。席に座り、そこにいた顔ぶれにバラトは目に見えて嫌そうな顔をした。

「血は愛情表現とか抜かすサイコに、人の血が飲みたいアルビノサイコに、自己中快楽主義サイコ」
「ねぇバラトサイコって言いたいだけ？」
「バラトくんったら酷い言い方ですね…。初めまして、僕はデストルドーです。気軽にデルト、とでも呼んでください」
「やほ、ハジメマシテ！ボクはアルカンシエル！よろしくネ！」
「…あ、忘れてた。俺はイヴ」
「はっ、ははははははじめましてっ、ああああいいいあああ」
「テンパりすぎだろ。適当にアキって言っとけ」
「あ、アキです！こ、殺さないで…じゃなくて、よろしくお願いします…！」

　そこに座っていたのはデストルドー、通称デルトと呼ばれる犯罪者。バラトとはまた別の狂人感の溢れ出る青髪の男性。その隣に座っていたのはアルカンシエル。何でも屋の犯罪者。その肌と髪の毛は白く、瞳はルビーの様に赤い。美しくも危険な雰囲気を漂わせていた。更にその隣千秋の隣に位置するのはイヴ。整った顔立ちに、美しい顔を遮るような眼帯。タキシードの上にパーカーを羽織っており、自由奔放性格が伺えた。

　そんな犯罪者たちを目の前に、千秋はこれまでにないほど怖がっていた。冷や汗は止まることを知らず顎を伝い手足はテーブルクロスの陰でガタガタ震え、唇は冷たくなって上手く言葉を紡げない。何より頭がちゃんと機能していない。バラトは見かねてカンペの様に台詞を囁いた。千秋はスマホのバイブ機能のようにブルブルしながら自己紹介したのだった。バラトは自分を知らなさそうな人にだけ「バラトだ」と自己紹介をして椅子によしかかった。

「バラトって、あのバラト？」
「あのバラトって？」
「(そもそもを知らない感じか…新しいタイプ)」

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