No.36 ページ37
「逆に聞くけど、アンタもこんな事をして許されるとでも思っているのか？」
「オレはなにもしていない！なのにお前らは急に…」
オレは男の顔を掴んで口を塞いだ。
そのまま持ち上げ、ぎろ、と睨んだ。
「罪のない人の命を奪っておいて被害者ぶるのはやめろ
この子供達が何をした？死にたいなんて言ったか？
…お前はどんな目でこの子供達を見た？」
男はガクガクと震え、奥歯がガチガチと鳴る音が聞こえた。
それほど死ぬのが怖いのだろう。
死ぬのが怖いならこんなことしなければいいのに。
「心配するな。オレは誰にでも平等だ。…お前ら子供を傷付けた大人には全員同じ痛みを与えてやる」
オレはそういって刀を紅く染めた。
軽く血飛沫がかかってしまった。せっかく隊服きれいにしたのに。
…まァ、それもいいか。
冷たく、堅くなった大人を見る。
涙を流しながら死んでいたり、目玉が飛び出そうなくらい驚いていたり。
オレは、そんな大人達を横目で見て、少し歪んだドアを閉めた。
もう一度、屋根に上って、景色を見てみる。
「…ここ、来たことある」
何度か、アイツと遊んだ。髪の毛が白くて、赤い瞳がきれいなアイツ。
一緒にそこを駆け回った。
アイツ、まだ元気かな。大人に嫌なことされてないかな。
そんなこと考えながら屋根から飛び降りた。
皆があっちで待っていた。
「剣士、誰か来ちゃうよ！」
と急かす声が聞こえる。
オレは適当に返事して、そこに足を向けた。
昔見たあの景色と今の景色を重ねながら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おバカな傀夢(プロフ) - 皆さん、上手くて凄く尊敬します！！え、もう。好きになっても良いですよね。 (2018年6月26日 21時) (
レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - え、ウチの子がとても良い感じのクズ感。そして、ミルクさんとロストアイズさんがクールビューティ過ぎて好きです。 (2018年6月26日 21時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 自然悦岫さん» 見てみます！ (2018年6月26日 6時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
自然悦岫(プロフ) - ドットコムさん» ありがとうございます。モデルにした谷川俊太郎さん作詞の合唱曲、「サーカス�機‘参宗縮粥廚鮴�非YouTubeで聞いてみてください。 (2018年6月25日 22時) (レス) id: 18ee1d3faa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - ロストアイズさんカッコよ！！！！！！！ (2018年6月25日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
