【魔入りました!入間くん】問題児クラスに無愛想なのに愛される不思議な悪魔が居ります。

49話 ページ50

sideA

何とか撒いた……

A『アヴィともはぐれたな……』

本祭のカウントダウンが始まる。

A『……』

全員が楽しんでカウントする。

…こういうのに混ざる事は苦手だ。

私は私なりに楽しんでいるつもりでも傍から見れば空気を悪くするらしい。



ﾄﾞｰｰﾝ!!!!

凄い音が聞こえた。

急に空が明るくなった。

空を見上げると見たことの無い空がそこにはあった。


知らない。

どの本でもこんな空は知らない。

どの文献にもこんな空間を書き記した記憶はない。


A『……知らない…』

歓声が上がる中、私は1人取り残されていた。


まだ私は知らない事が多すぎる。

まだカルエゴに相応しい悪魔にはなれない。


A『……また調べ物が増えたな。』

仮面の下で自分自身の出来の悪さに嘲笑する。


A『…♪…♫♪』

誰にも聞かれずに口遊む。


盛り上がる会場から取り残された私はまだ



A『……変われなかったな……』


成長しない。





あの時の声が頭に過ぎる。

｢変わってるね｣

｢なんで出来ないの｣

｢気味悪い｣




A『…はぁ……』

結局私は逃げてばかりの弱虫だ。

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