男女恋物語~arkt~ NO.2 (ページ17)

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62 目を閉じた私。ページ17

私のなかのキスのイメージって恋人同士がするもので、先輩を好きか嫌いかと聞かれたら好きだと思う。

でも先輩だし、お兄ちゃん的存在。そういう好きだと思う。

そういう相手とキスってするものなのだろうか。

「なんでするんですか？？」

荒北「ンーしたいからァ？」

「答えになってないです」

荒北「俺とキスするのイヤ？？」

こう聞かれて、多分イヤじゃないと思う。でもしたいというわけでもない。

なんて返事したら良いかわからなくて返事ができなかった。

目があったまましばしの沈黙・・・

荒北「困らせて、ごめんな」

そういって先輩は、私の唇にそっとキスを落とした。

目を見開いたままで心臓が飛び出るぐらいビックリした。

先輩の香りがダイレクトに伝わってきてドキドキした。

でも、不思議といやじゃなかった。

先輩は唇を放すと

荒北「返事待ってらんなかった。イヤだったかァ？」

そういって指で唇をぬぐってくれた。

「い、イヤじゃなかった、、、です。」

そう返事すると先輩は目を見開いていた。

でもすぐに優しい目に戻った。

荒北「バカチャンだなァ。
　今度はチャンと目ェ閉じろよ」

そう言って顔を寄せてきた。

もう一度キスされるんだとわかった。先輩に言われたとおりに目を閉じた。

荒北「お利口ちゃんだァ」

そう先輩は言ってまたわたしにキスをした。

先輩が唇を放すのと同時にそっと目を開けると、先輩は少し照れくさそうにしていた。
その仕草がなんだか嬉しくってしょうがなかった。

そして先輩は横に寝転んで

荒北「時間までもう少し寝よう」

そう言って私を後ろから抱きしめてくれた。

私は、お腹にある先輩の手に自分の手を重ねた。

先輩はもう片方の手で私の手を包みこんでくれた。

この暖かいぬくもりはとても安心するものだった。