エンデヴァーガチ勢な女の子の話【轟焦凍】 (ページ9)

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「なんとォ！あの轟が、左側の個性を使いやがった!!改めて思うけど何ってヤツなんだ！イカれてやがるぜぇぇ!!」

「すげぇーーーーっ！アイツが炎の方使ってんの初めて見た！！」

「さすがエンデヴァーの息子だな…っ。」

会場は、クライマックスを楽しんでいるようだった。

『っ熱……！』

流石に、炎は無理だ。

温度が高すぎて、私には消すことも出来ない。

『ははっ、使えるんじゃん！』

余裕なんてなかったが、挑発するように轟くんにそう言った。

｢……うるせェ！｣

明らかに怒っている。

さっきの私の言葉が、少しでも彼に届いたんだろうか。

あーあ、終わった。

勝ちたかったのに、どうしてお節介なんか焼いちゃったんだろう。

これじゃあ、弱個性の私に、勝ち目なんてない。

ふと、観客席の方を見る。

あ…！

『エンデヴァーだ…。』

そこには、私の大好きなヒーローが炎をあげてこちらを観ていることが分かった。

視線を戻せば、轟くんがこちらに手を向けている。

戦いが今、終わろうとしていた。

『……自分の個性、自分の力だって、認めてあげてね。』

勢いよく燃え広がった炎が、

私に向かって放たれて、

その熱に耐えきれず、

私は意識を手放した。

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