エンデヴァーガチ勢な女の子の話【轟焦凍】 (ページ8)

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引っ張るのを止めて、彼の胸ぐらを掴んだ。

『そんな強い個性持ってるのに使わないなんて、私のこと侮辱してるの！？』

握る手の力が強くなる。

『親父、親父って！自分だけの個性なのに、親父の個性って勝手に認めてさ！轟くんが一番、自分のことをエンデヴァーの息子って、決めつけてるんじゃん！』

｢っなん、だと……！｣

『君みたいな、臆病者があの強くてかっこいいエンデヴァーなんかに似てるわけない！エンデヴァーの息子じゃなくて、轟焦凍として、ヒーローになろうよっ…！』

気づいたら、観客がいっぱいいるはずなのに、辺りが、静まり返っている。

や、やってしまった……。

轟くんは、私なんかの言葉を聞いても動かない。

『ま、まぁ強いエリートの轟くんは、私みたいな雑魚の考えなんかっどうでもいいだろうけど！！』

もういいや、このまま場外にしちゃおう、と

彼を再び引っ張ろうとした時だった。

｢俺だって、ヒーローにっ……！｣

突然、彼の片側が燃え始めた。

突然のことにびっくりして、咄嗟に彼と距離をとった。

私の目に映るのは、

あの人と同じ赤色の、

綺麗で、情熱的な、炎。

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