30 side轟焦凍 ページ31
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あいつが少し悲しそうな顔をして、行ってしまった。
「轟くん、そんなにAちゃんがエンデヴァーの話するの、嫌だったん…？」
「……分かんねぇ。なんか、あいつが親父しか見てねぇって思うと、モヤモヤする。」
「というか轟くんって、温水さんのこと好きなんじゃないの……？」
「…………は？」
「えっ、無自覚！？轟くん、いつもAちゃんに、授業で実戦する度に、かっこよかったかって聞いとるやん…っ！」
「そうだよ！それに、温水さんがエンデヴァーの話してるとき、いつも轟くん、眉間にしわがよってるから、単純にヤキモチ妬いてるのかと、思ってたんだけど……。」
「それはアレだ、親父のことフィルターかけて見てるあいつがうぜぇだけだ。」
「おっ、俺はこういう話が得意ではないのだけれど、轟くんは温水くんに、どう思われたいんだい？」
「……親父じゃなくて、俺の事見て、かっこいいって思って欲しい。」
「えっ、それ恋じゃないの！？」
「轟くん、Aちゃんのこと、可愛いって思ったことないの！？」
「……可愛いは分からねぇが、痛がって俺にしがみついてきたり、恥ずかしがって泣いてたりするのは、見てて悪くねぇと思った。」
「えっ、なんかちょっと歪んでない…？」
「轟くん！学生の間は純粋な恋愛をしたまえ！」
「俺、温水のこと好きなのか？」
「うーん、本人が決めることだと思うけど、僕は好きなんじゃないかなって思うなぁ…。」
そうなのか。
まだちょっと納得いかねぇけど、
なんか、心のモヤモヤが晴れた気がした。
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作者名：いるか | 作成日時：2020年6月17日 16時
