エンデヴァーガチ勢な女の子の話【轟焦凍】 (ページ30)

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29 オタクの悪いところ、出ちゃいましたページ30

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『馬っ鹿じゃないの！？そんなこと考えるわけないじゃんっ！！しかもエンデヴァー既婚者だよ！？轟くん息子でしょ！？』

「まぁ嫌だが、息子だな。」

『確かに、エンデヴァーみたいな人はタイプだけれど、そんな不純な目してガチ勢はやれないし、本当にエンデヴァーは、純粋に、私の憧れなのっ！』

「そうだよ轟くん、温水さんに失礼だよっ…！」

『……でもそっか、自分の父親の話こんな風にされたら、轟くんも嫌だよね。なんか、ごめん！あんまり轟くんの前で、騒がないようにするね。』

そう彼に言って、手の平を合わせて謝った。

オタクの悪い所が出てしまった。申し訳ない…。

「Aちゃんっ…。」

「……なんか、お前が親父の話してるの、嫌だ。」

えっ。

そ、そこまでか……。そんなに失礼だったか、反省しないと。

『それなら轟くんの前でエンデヴァーの話、しないようにするよ。』

「……分かった。」

『じゃあ私、食べ終わったら先戻ってるね。みんなごゆっくり！』

「ちょっとAちゃん……っ！」

気まずくて、その場から逃げるように去った。

廊下を歩きながら、さっきの出来事を考える。

轟くん、私のこと軽蔑したかな。

確かに中学校でも、エンデヴァーガチ勢なことを友達に話したら、ドン引かれたことは、あった。

ましてや轟くんは息子。しかも、エンデヴァーのことが大嫌い。

あんまり聞いてて、気持ち良い話じゃないのだろう。

それに、実の父に恋愛感情を持ってそうに見える女子って……。

絶対に気持ち悪がられるじゃん。

前は犬猿の仲っぽくはあった(自分が一方的に嫌ってた)けど、

少しずつ話したり、彼に色々助けて貰ったりしたから、

勝手に、仲良くなれたと、思っていた。

ちょっとだけ、心が傷んだ。

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